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かんきつテーマに芸術祭 田辺市の4会場で多様な展示

農業倉庫全体を作品にしたアート。かんきつと加工品、摘果ミカンを使用して作った和紙などを展示している(和歌山県田辺市上秋津で)
農業倉庫全体を作品にしたアート。かんきつと加工品、摘果ミカンを使用して作った和紙などを展示している(和歌山県田辺市上秋津で)
展示会場マップ
展示会場マップ
 和歌山県紀南地方の「かんきつ」をテーマにした芸術祭「紀南アートウイーク2022 みかんコレクティブ展」(実行委員会主催、紀伊民報など後援)が6日、田辺市内の4会場で始まった。多様な作品展示のほか、関連イベントがある。16日まで。

 ミカンとアート、神話、哲学、人類学など異なる分野を絡めて、果樹や豊かな文化が生まれる「土壌」に迫る企画。食、農、文化、生活のネットワークについて、10組のアーティストの表現を通して考える。展示会場ごとにテーマを設けている。

 「秋津野ゆい」倉庫(上秋津)では「実り 果実を巡る旅」をテーマに、ミラノを拠点に活動している美術作家、廣瀬智央さんがかんきつ類を使用したインスタレーション(展示空間も含めた全体を作品としたアート)を展示している。ミカンを通じて、私たちの生活と産業、自然環境と循環について考えてほしいという。午前8時半~午後4時。

 南方熊楠顕彰館近くの「SOUZOU(ソウゾウ)」(旧岩橋邸)=中屋敷町=では「菌と共生 菌根ネットワーク」がテーマ。ミクロ(小さな菌の世界)をマクロ(私たちの住む広い世界)の視点に置き換えることで、世界の複雑さに触れることができるという。午前10時~午後5時。

 ゲストハウス「愛和荘」(古尾)では「土と根 見えない根を探る」をテーマに、豊かさを生み出す土壌や根に注目した作品を展示する。午前10時~午後5時(8日のみ午後3時まで。9日のみ午前11時から)。

 15日午後7時からは、同市中辺路町在住のサウンドアートユニット「AWAYA(アワヤ)」によるライブ「みかん神話」がある。音楽を通じ、熊野の神話世界を表現する。AWAYAはかんきつの樹が聞いている音を体感できる展示もしている。

 JR紀伊田辺駅前の田辺エンプラス(湊)に設けたインフォメーションセンターでは、「みかん神話」をテーマにVR(仮想現実)空間で、体感型のアート作品が午前10時~午後5時に楽しめる。9日午後3時~5時には、「みかん神話」をテーマにしたトークショーがある。文化科学高等研究院ジェネラル・ディレクターの山本哲士さん、熊野古道を紹介したブログを運営する坂本このみさん、農家の原拓生さんが出演する。

 4会場の展示は無料。一部のイベントや体験は有料。イベント参加は、紀南アートウイークのホームページから予約する。

 問い合わせは実行委員会事務局(090・3710・3866)へ。

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