和歌山県南紀のニュース/AGARA 紀伊民報

若手職員からアイデア続々 市長らに提案、田辺市

真砂充敏市長ら市幹部を前にプレゼンテーションする若手職員(右奥)=和歌山県田辺市役所で
真砂充敏市長ら市幹部を前にプレゼンテーションする若手職員(右奥)=和歌山県田辺市役所で
 和歌山県田辺市は、若手職員から業務の改善策や新しい事業のアイデアを募る「職員提案制度」を設けている。本年度は6件の応募があり、真砂充敏市長ら市幹部に直接プレゼンテーションをして提案内容に込めた思いを熱弁。審査の結果、他部署の先輩職員が新人職員を指導する「クロスメンター制度」の導入を優秀賞に選んだ。

 職員提案制度は、職員の企画力や政策づくり能力、プレゼンテーション能力などを向上させることを目的に2011年度から実施(15、20年度は休止)。本年度を含め計118件の提案があり、56件を採用(条件付き採用を含む)している。

 本年度は、国連が定めた「SDGs(持続可能な開発目標)」の達成に向けた取り組みをテーマに、11年度以降に採用された若手職員に対象を絞って募集。プレゼンテーションでは真砂市長と副市長2人、総務部長、企画部長の審査委員が並ぶ前で、グループごとに提案内容を説明した。

 クロスメンター制度の導入を提案したのは、いずれも国の機関や民間企業から転職し、前職時代に同様の制度を経験したことがあるという馬場翔平さん(34)、上村利幸さん(32)、森洸介さん(27)のグループ。コロナ禍で他部署の先輩と交流する機会が少ないという現状を背景に、横のつながりを活性化させることで、相談しやすい環境づくりや職務遂行能力の向上につなげようと提案した。

 後日開かれた審査会では「多様な年代や出身地の職員が入庁する中で、メンター制度を通じて公私の両面から新規採用職員をサポートしていくことはメンタルヘルスの観点から重要である」と評価された。実際の運用には課題もあるとして「条件付き採用」となった。

 7日に表彰式があり、真砂市長が表彰状を手渡した。馬場さんは「考えたアイデアを市長に直接提案できる機会はなかなかないので、とてもいい経験になった」と話した。

 真砂市長は「若手職員たちが日々の業務の中で、それぞれ課題を見つけて取り組んでいる様子がうかがえた」と語った。

公式SNS!フォローしてね!
友だち追加

アクセスランキング

趣味・娯楽

読者チャンネル

新着リリース

紀伊民報からのお知らせ