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阪神復興のシンボル「はるかのヒマワリ」咲く

杉本町子さんが育てたヒマワリ(和歌山県田辺市龍神村殿原で)
杉本町子さんが育てたヒマワリ(和歌山県田辺市龍神村殿原で)
 和歌山県田辺市龍神村殿原の杉本町子さん(71)が自宅前に植えた、阪神大震災の復興のシンボルとして受け継がれているヒマワリが、高さ約3メートルまで成長して道行く人の目を引いている。

 杉本さんは、自宅隣のガレージを改装して「小町茶屋」と名付け、住民が集まり交流できる場を設けている。周辺にはチューリップなどさまざまな花を植え、訪れる人たちを迎えている。ヒマワリの栽培は初めてで、知人から紹介され「はるかのひまわり」の種を植えたという。

 はるかのひまわりは、阪神大震災で家屋が倒壊して亡くなった神戸市の女児、加藤はるかさんにちなんで名付けられた。震災の半年後に、家があった所に大きなヒマワリが咲いたため、地元の人が「はるかのひまわり」として、種を配布した。現在は神戸市の「はるかのひまわり絆プロジェクト」(松島俊哉代表)がこの活動を引き継ぎ、種の配布を続けている。

 同プロジェクトによると、全国の希望者に種を配る過程で、その由来を伝え、災害の悲惨さと命の尊さを再考する機会を持ってもらうことを目指して活動している。

 杉本さんは5月下旬に種をまいた。世話のかいあって順調に育ち、7月下旬に次々と黄色い花が咲き始めた。

 同プロジェクトの松島代表によると、杉本さんが取り寄せたのは、はるかのひまわりの種から育てた、大阪府枚方市にある「翠香園ふれあい公園」に咲いたヒマワリから取ったもので、26代目に当たるという。

 杉本さんは「勢いよく太陽に向かって咲くヒマワリを見ると、コロナ禍の中でも元気がもらえて、暑さを乗り切れる気持ちになる」と話している。

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