和歌山県南紀のニュース/AGARA 紀伊民報

2024年12月16日(月)

海水浴場をロケット発射見学場に 串本町田原

ロケット発射時にパブリックビューイングなどが行われる予定の田原海水浴場(和歌山県串本町田原で)
ロケット発射時にパブリックビューイングなどが行われる予定の田原海水浴場(和歌山県串本町田原で)
 和歌山県串本町田原に建設中の小型ロケット発射場「スペースポート紀伊」で来年度中に1号機が発射されることを受け、町は発射場から約1・5キロ離れた田原海水浴場を発射当日に「プレミアム見学場」とし、イベントを開催することなどを計画している。田嶋勝正町長が、7日に開会した町議会12月定例会の諸報告で述べた。

 町によると、プレミアム見学場では地元物産を販売するほか、打ち上げのパブリックビューイング(大型スクリーンを使った観賞イベント)を予定。定員は約2500人で、来場者には協力金を求めるという。

 町は県、那智勝浦町と共に「民間ロケット発射場周辺地域活性化協議会」を設置して、さまざまな課題の洗い出しと解決策について協議しているが、交通渋滞対策を最重要課題に位置付けている。発射時は、関係機関が車両流入量の抑制を広報するほか、プレミアム見学場周辺など渋滞が予想される箇所を駐停車禁止にすることを検討している。

 田嶋町長は、1号機の発射では全国各地から訪れる来場者数が予想できないとし、紀伊大島へ渡るくしもと大橋を通行規制し、樫野埼灯台付近での見学は、地元関係者と町内の子どもを優先する方向で県と調整していると述べた。

■補正予算など28件可決

 12月定例会は、8日までに本年度一般会計補正予算案など28件を全て可決した。会期は23日までの17日間で、一般質問は16~18日の3日間を予定している。

 8914万7千円を減額し、総額149億2102円とする一般会計補正予算には、町役場古座分庁舎(串本町西向)をロケット関連施設に改修するための基本構想策定業務委託料(397万1千円)、台風14号で被災した伊串漁港の航路しゅんせつ事業(434万円)、串本インターチェンジ周辺地域活性化施設の基本計画業務委託料(1361万円)が盛り込まれた。

 地元住民の要望を受け、新築家屋が増えている同町潮岬の道路を舗装する改良工事費2千万円も可決。5カ年計画で計1億円をかけ、延長2・7キロを補修する。