和歌山県南紀のニュース/AGARA 紀伊民報

2024年11月26日(火)

「罰則含めた権限強化を」 感染者調査で和歌山県知事

和歌山県庁
和歌山県庁
 新型コロナウイルス感染防止の強化や社会経済活動との両立などについて話し合う全国知事会が19日、ウェブ方式であり、和歌山県庁知事室から参加した仁坂吉伸知事は、感染者に実施する行動履歴などの「積極的疫学調査」について「強く臨めないことは本当に問題だ」と指摘。罰則を含め、法律上の権限強化の必要性を訴えた。

 PCR検査の戦略的拡大、医療機関支援、政府の「Go To トラベル事業」、米軍基地での感染拡大、被災地救援活動中の感染防止対策などについて議論した。今回出た意見を踏まえて、近く政府に「緊急提言」する。

 県では感染者が判明すれば、行動履歴などを調査し、濃厚接触者を検査、それで陽性者が出れば、さらに濃厚接触者を調べるといった追跡方法を取っている。仁坂知事は「和歌山を含むだいたいの県はこれをしているが、地道にやっていないと感染が爆発し、止めどもなく広がる。都道府県が一生懸命やらないといけない」と指摘した。

 その中で、感染者への行動履歴などの調査について「協力しない人に強く臨めないことは本当に問題だと思う。必要があれば、罰則を含めて(権限を強化し)国民に協力してもらえるようにしとかないと危ない」と強調した。

 さらに、社会経済活動も重要だとし「営業や移動の自粛要請ばかりやると、経済や生活がぶっ飛んでしまうことになる。こういうことこそ、国が指導しないといけないが、国の最高の専門家は、この点についての認識と想像力が弱く、制限ばかり言っている」とし、国民への自粛要請の前に、保健医療行政が感染防止の機能を果たすべきだという考えを改めて示した。

 また、陽性者と連絡が取れないという報道があったことについて「これは論外。われわれは一生懸命やらないといけないということだ」と述べた。