和歌山県南紀のニュース/AGARA 紀伊民報

2024年12月21日(土)

旧市鹿野小を民間に貸し付け 白浜町、今夏にも公募へ

和歌山県白浜町が民間事業者へ貸し付ける方針を明らかにした旧市鹿野小学校校舎(和歌山県白浜町市鹿野で)
和歌山県白浜町が民間事業者へ貸し付ける方針を明らかにした旧市鹿野小学校校舎(和歌山県白浜町市鹿野で)
表・旧市鹿野小の貸し付けの流れ
表・旧市鹿野小の貸し付けの流れ
 和歌山県白浜町は、旧市鹿野小学校(白浜町市鹿野)を民間事業者に有償で貸し付ける方針を決めた。今夏にも公募を始め、地元住民らで審査した上で業者を決めたいという。閉校した学校全体を貸し付けるのは町にとって初めて。日置川事務所は「地域の活性化につながれば」と期待する。

 旧市鹿野小は鉄筋コンクリート2階建て(延べ床面積855・8平方メートル)。敷地面積は約2700平方メートル。校舎は1993年3月の完成で、耐震基準を満たしている。

 校舎の活用方法を検討するよう求める意見が地元から上がっていたことや、複数の業者からの見学依頼もあり、需要が見込めると判断した。町は、グラウンドなども含めた施設全体を貸し付ける方針。

 公募は企画提案型にする。事業計画や地域への貢献度合いなどを、住民や町職員でつくる委員会で審査して優先交渉権者を決める。町は、その後の業者による住民説明会などを経て、順調にいけば来年4月にも貸し付けたいという。

 貸す際の価格の参考にするため、町は校舎を鑑定にかける。必要な費用として50万4千円を補正予算案に盛り込み、9日に開会する町議会6月定例会に提案する。

 市鹿野小は2017年3月に閉校した。台風時に町消防団が待機所として使ったり、町社会福祉協議会がイベント会場にしたりしている。

 旧日置川町内には、校舎が残る閉校した学校が五つある。このうち旧川添中(白浜町市鹿野)では、地域の女性が月に1度「川添カフェかーちゃんの里」を営業している。