和歌山県南紀のニュース/AGARA 紀伊民報

2024年12月25日(水)

再開で学校一変 体温チェック、消毒徹底

登校時に非接触タイプの体温計で検温する教職員(田辺市の上秋津小学校で)
登校時に非接触タイプの体温計で検温する教職員(田辺市の上秋津小学校で)
生徒が下校した後、教室の窓枠やドアを消毒する教職員(田辺市中三栖の衣笠中学校で)
生徒が下校した後、教室の窓枠やドアを消毒する教職員(田辺市中三栖の衣笠中学校で)
 新型コロナウイルスによる休校から再開した学校では、学習の遅れを取り戻す授業はもちろん、徹底した感染防止対策が求められている。登校時の体温チェックや教室の消毒、静かな給食など、一変した学校の風景を取材した。

【登下校】

 田辺市の上秋津小学校(浦光良校長、179人)は再開後1週間、各学年を地区などを考慮して午前と午後の2グループに分け、分散登校している。

 2日午後0時20分ごろ、午後登校の児童を出迎えた教職員は「暑いね。大丈夫? 熱、測ってきたかな?」と声を掛け、体温を聞き取り。検温してこなかったり、37度以上とやや高めだったりする児童には、非接触タイプの体温計を額にかざし、熱がないか確かめる。校舎に入る児童一人一人の手に消毒液をかけた。

 1年生の下校指導は、6年生を中心とした上級生の役割になった。通常は教職員がしていたが、放課後は校内の消毒に追われるため。6年生に最上級生の役割を意識させる狙いもある。

 放課後、1年生は地区別に分かれて、校舎前で待機。6年生や兄姉が迎えに来ると、「やっと来た」「遅いよ」などと話し掛けながら、一緒に下校していた。

【校内の消毒】

 田辺市の衣笠中学校(宮田博之校長、218人)では毎日放課後に、全教員22人が校内を消毒している。

 3日も放課後になると、教員がビニール手袋や軍手をはめ、消毒液のスプレーと雑巾を持って各自の担当場所へ。消毒液が飛び散らないよう雑巾や軍手に染み込ませ、教室の机やドアノブ、スイッチ、トイレの洗い場など、生徒がよく触る場所を拭いた。

 アルコール消毒液は校内の消毒だけでなく、子どもたちの手指の消毒でも使っている。

 教員の負担は大きいが、宮田校長(59)は「校内での集団感染は防がなければいけない。全員が生徒の安全を思い取り組んでいる」と話した。

【給食】

 田辺市の鮎川小学校(中家章一校長、116人)は4日から、給食を再開した。従来は全校児童がランチルームに集まっていたが、3年生以上は各教室で給食を食べている。

 この日、ランチルームでは、1、2年生が手洗い、うがいをし、互いの間隔を空け、同じ方向を向いて席に着いた。食べ始めると、教員が「前を向いて静かに食べよう」と呼び掛けた。

 3年生以上は各教室で、段ボール製パーティションを付けた机に座り、前を向いて静かに食べた。6年生の島倉紀ノ花さん(11)は「久しぶりに皆で給食を食べられて、とてもおいしく、懐かしい味に感じた」と話した。