和歌山県南紀のニュース/AGARA 紀伊民報

2021年12月03日(金)

解体費2億7千万円増 田辺市新庁舎建設地の建物

 田辺市は3日、新庁舎の建設予定地にある既存建物の解体費用について、当初計画より約2億7千万円増の約11億1千万円になる見込みだと市議会特別委員会に報告した。大気汚染防止法が一部改正され、アスベスト(石綿)の飛散防止対策を強化する必要が生じたためという。

 新庁舎は、同市東山1丁目の総合スーパー「オークワオーシティ田辺店」「紀伊田辺シティプラザホテル」の敷地を購入し、施設を解体した上で建設する。

 市とオークワが2018年12月に締結した土地売買契約書の特記事項では、オークワへの移転補償や営業補償などに代えて、市の責任と負担によって建物を解体撤去することとなっている。解体撤去費は、概算で8億4千万円を見込んでいた。

 これまでの大気汚染防止法では、アスベストを使った建材のうち、解体作業で飛散しやすい吹き付け材や断熱材などが規制の対象となっていた。しかし、5月末に改正法が成立。塗料を含め、全ての建材が対象となった。

 市新庁舎整備室によると、昨年12月に建物の調査を実施。その結果、塗料にアスベストが含まれていることを確認した。現状は飛散しないため、施設を通常利用する分には問題がない。ただ、安全に撤去するためには、水を噴射しながらコンクリートの表面を削り取る手作業の工法が必要になり、解体撤去費が高くなるという。

 増額分の費用負担については、市の責任で解体することとなっていることや、土地売買契約後の法改正であることなどからもオークワに請求することは難しいと考えているが、協議を申し入れているという。

 新庁舎整備を巡っては、昨年9月市議会でも、資材の高騰などから立体駐車場の購入費を当初計画より約1億8000万円増額する議案が可決されたばかり。この日の委員会では、議員から「積算が甘かったのではないか」などと批判の声が上がった。