和歌山県南紀のニュース/AGARA 紀伊民報

2024年11月29日(金)

新型コロナ、みなべ町でも影響 売り上げ落ち込みや休業

国民宿舎紀州路みなべではフロントに飛沫防止フィルムを張り、感染症防止対策や一部施設の休止を周知している(15日、和歌山県みなべ町埴田で)
国民宿舎紀州路みなべではフロントに飛沫防止フィルムを張り、感染症防止対策や一部施設の休止を周知している(15日、和歌山県みなべ町埴田で)
臨時休業している紀州梅干館(15日、和歌山県みなべ町山内で)
臨時休業している紀州梅干館(15日、和歌山県みなべ町山内で)
 新型コロナウイルス感染症による影響は、和歌山県みなべ町内でもさまざまな方面に出ている。客数、売り上げが落ち込み、感染対策も踏まえて休業する店や、融資の相談や申し込みをする事業所も出ている。

 宿泊施設では、「国民宿舎紀州路みなべ」が感染症防止対策として、21日からレストランや喫茶コーナーを休止し、宿泊は素泊まりのみの営業にする。30日までの予定。人が集まるゲームコーナーやカラオケルームは既に閉めている。

 休止期間にも予約は入っているが、食事付きでないビジネス客が多く、食事付きの人にも事情を説明して了解してもらったという。

 宿泊客数は大きく落ち込んでいる。3月は前年比約70%の減で、4月は85%減の見込みだという。例年あるスポーツ合宿による学生の団体客や春休みの家族連れ客がなくなった。

 営業する上で、フロントには飛沫防止フィルムを張るなどもしている。同施設は「融資を受けることも検討しているが、いまはどう予防するか、どう従業員に休んでもらうか、安全に営業するための対策に重点を置いている。今のところ休業は考えていない」という。

 「鶴の湯温泉」は今のところ通常営業だが、近く、食事の提供をやめて素泊まりに切り替えることも検討しているという。5月の連休は予約で埋まっていたが、キャンセルも相次いでいる。温泉施設では、感染症対策として、脱衣籠を一つずつ消毒した上で客に渡すようにしているという。

 「ホテル&リゾーツ和歌山みなべ」は、客数が減っているといい、11~18日を休館にしている。

 町が運営する道の駅「うめ振興館」は物産販売コーナーも含めて、20日から開館時間を短縮し、午前10時~午後4時にする。



 梅加工業「ウメタ」の売店「紀州梅干館」は3日から休業している。3月の売り上げは前年比4分の1以下に落ち込んだといい、不特定多数の客が出入りするため、感染リスクを危惧し、休業することにした。グループや個人で梅加工の体験予約も入っていたが、休業を伝えたという。

 同社は「休業期間は5月6日までとしているが、7日に開けられるか今後の状況を見て判断したい。感染者が出て加工の工場を止めなければならないような事態は、自分たちもだが、お客さんにも迷惑をかける。判断は難しい」と話す。梅干し販売の業界では、百貨店や観光地、外食産業の部分で打撃があるという。

 岩本食品ぷらむ工房本社でも、梅製品の売店や加工体験を5月6日まで休業にしている。レストラン「カフェ・ド・マンマ」も4月30日まで休業。売店とレストランともに再開は状況を見ながら判断するという。客数が落ち込んだほか、従業員からも感染症への心配の声があり、休業を決めたという。



 みなべ町商工会によると、町内事業所で飲食など売り上げが落ち込み、サービス業では休業する店も出てきている。

 商工会では雇用調整助成金や特別融資、給付金などの紹介をしている。資材が入ってこなかったり、仕事の受注の見通しが不透明だったりなどで、事業継続のための資金調達の相談も寄せられているという。