和歌山県南紀のニュース/AGARA 紀伊民報

2024年11月26日(火)

12日まで臨時休校 和歌山県立校、再開後の家庭学習容認

 新型コロナウイルス感染者が和歌山県内でも増加していることを受け、仁坂吉伸知事は7日、県立学校を12日まで臨時休校すると発表した。その後の措置については今週中に決定する。また、再開した場合についても、保護者や児童生徒が家庭学習を希望する場合は可能とし、欠席扱いにしないという。市町村や私立学校にも同様の措置を要請している。

 県や県教育委員会は、予定通りに学校を再開する方針だったが、政府が7日に「緊急事態宣言」を出すことや、県内で最近、感染者が増加していることを受け、6日夕方に協議し、急きょ臨時休校を決定した。

 市町村や私立については県の方針を踏まえ、検討してもらう。

 県立学校の入学式は対策を講じた上で実施。始業式は再開後に延期するが、7日に始業式を実施した学校もある。

 臨時休校中、各学校の教員は児童生徒全員に毎日、健康や学習状況を確認するための電話をする。

 再開後は、37・5度前後の発熱やせきの症状があれば自宅で休養させるなどの措置を依頼する。

 また、県教委や市町村教委が用意する「健康観察票」で学校と保護者がやりとりし、子どもの体調の変化に気付きやすいようにする。保護者は、子どもの毎朝の体温や風邪症状の有無などを記入して毎日学校に提出。学校側は子どもの体調に気になることがある場合は「健康観察票」で保護者に連絡する。

 学校では、教職員や児童生徒は校内ではマスクを着用する▽授業中は児童生徒の対面を避けるために座席配置や学習内容を変更する▽各教室の換気を毎時間徹底し、多くの子どもが触る場所は1日1回以上消毒する。

 また、高校などについては、生徒ホール(食堂)は人数制限や販売方法に工夫できる場合のみ営業可能とし、密集を避けるために可能な限り弁当の持参を依頼▽電車やバスなどの過密を避けるために、始業時間の開始を遅らせるなどして、時差登校する▽部活動は短時間とし、接触度の高い活動はしないとする。

 また、再開後も登校したくないという声が出ていることを受け、学校と相談の上、登校しないことも可能にする。その場合は欠席扱いにせず、学校は家庭学習の指導や支援をする。

 仁坂知事は、臨時休校を求めるメールや手紙が保護者や子どもから多く寄せられたといい「全て目を通した。子どもからは、自分がうつったり、家族に感染させたりしたくない、などの意見があり、胸を打たれた」と話した。その上で「休校にすると、学習面や人間関係による成長などの面でマイナスがある。和歌山県では、学校で直ちに感染する状況ではないので、再開していいと思ったが、多くの人の懸念もあるし、状況が流動的なのでしばらく様子を見たい」と述べた。

 県内では文部科学省の要請により、3月2日から春休み前まで臨時休校としていた。