和歌山県南紀のニュース/AGARA 紀伊民報

2024年11月29日(金)

金融機関に資金繰り相談 新型コロナ、業種問わず

新型コロナウイルスで特別相談窓口を設けている金融機関(和歌山県田辺市高雄1丁目で)
新型コロナウイルスで特別相談窓口を設けている金融機関(和歌山県田辺市高雄1丁目で)
 新型コロナウイルスの感染拡大で、和歌山県紀南の金融機関が設置した相談窓口に中小、零細企業から相談が相次いでいる。先行きが見通せないため、早めの資金繰りに動く経営者が業種を問わず多いという。各機関は運転資金の融資や返済期限の延長などで対応している。


 「自粛ムードで宴会がなく、売り上げが激減した」(飲食店)、「インバウンド客が全くいなくなった」(観光バス業者)、「客が来ないから店を閉めている」(小売業)。日本政策金融公庫田辺支店には通常の4~5倍の相談がある。一時的に窓口に行列ができることもあるという。

 2月は宿泊・観光業者と飲食店がほとんどだったが、3月以降は小売業や建設業など他業種にも広がった。担当者は「緊急性の高い事業者はまだ少ない。皆さん冷静に対応している。先が見通せないため、早めの手当てをしているようだ」と話す。

 紀陽銀行田辺支店でも業種を問わず相談が増えている。「建築関係ではトイレやキッチンなど水回りの資材が入らないため、工事が計画通り進まず、収入がストップしている事例もある」という。

 土、日曜、祝日にも休日相談窓口を設けているが「周知が行き届いていないのか、こちらは来店が少ない」と活用を呼び掛けている。

 経営相談を受けている田辺商工会議所は「今週に入って、相談はさらに増えた。廃業の危機までは至っていないが、いつまで耐えればいいのか、いまだに先が見通せない不安が大きい。今後さらに増えそうだ」と語った。