和歌山県南紀のニュース/AGARA 紀伊民報

2024年11月23日(土)

卒業式ができて良かった 小学校、規模縮小し挙行

別れの歌を合唱する卒業生(23日、和歌山県田辺市上屋敷1丁目の田辺第一小学校で)
別れの歌を合唱する卒業生(23日、和歌山県田辺市上屋敷1丁目の田辺第一小学校で)
 和歌山県紀南地方の多くの小学校で23日、卒業式があった。いずれも新型コロナウイルス感染拡大予防のため、規模を縮小して開かれたが、卒業生は式自体が開催されたことを喜んだ。

■田辺第一小

 田辺市上屋敷1丁目の田辺第一小学校(卒業生46人)では、卒業生と教員、保護者、少人数の来賓のみで実施。出席者にマスクの着用やアルコール消毒を呼び掛け、来賓の祝辞などを省略した。

 式では矢倉和彦校長が卒業生一人一人に卒業証書を手渡し、「コロナウイルスの影響で臨時休校となったが、人生には自分の思い通りにならないことや辛抱しなければならないこともある。仲間と過ごす時間がいかに大切か実感したと思う。これからも仲間や応援してくれる人々を宝物にし、目標に向かって前進してほしい」と呼び掛けた。

 最後に卒業生全員で整列し、別れのあいさつを読み上げ、歌を合唱した。

 式後は教室で別れの会があり、担任教諭が「休校になった時、卒業式ができるか心配だった。皆そろって旅立ちができて良かった」と語り掛けた。

 長男の湧牙君が卒業した佐井川義晃さん(43)は「式ができたことにほっとしている。悲観的に思わず、コンパクトになった分、アットホームで思い出に残るものになったと思う」と話した。

■白浜第一小

 白浜町の白浜第一小学校も、規模を縮小した「卒業証書授与の会」を開き、35人が巣立った。

 卒業生にとっては、臨時休校が始まってから最初で最後の登校日となった。段取りを確認するリハーサルは当日に実施した。

 卒業生の竹中穂香さん(12)は「どうなるかと心配していたので、良かった。普通の卒業式じゃない形だったので思い出になる」。長女の春乃さんが卒業した大坂剛さん(45)は「保護者たちもどうなるかと不安だった。どんな形であれ、開催できて良かった」と話した。