和歌山県南紀のニュース/AGARA 紀伊民報

2024年12月22日(日)

七越峯でクマノザクラを 熊野本宮観光協会が案内地図

熊野本宮観光協会が作成した七越峯森林公園内にあるクマノザクラの地図(和歌山県田辺市本宮町で)
熊野本宮観光協会が作成した七越峯森林公園内にあるクマノザクラの地図(和歌山県田辺市本宮町で)
見頃を迎えた七越峯森林公園の道沿いにあるクマノザクラ(和歌山県田辺市本宮町で)
見頃を迎えた七越峯森林公園の道沿いにあるクマノザクラ(和歌山県田辺市本宮町で)
 世界遺産の「大峯奥駈道」が通るサクラの名所、和歌山県田辺市本宮町の七越峯森林公園内に自生するクマノザクラを知ってもらいたいと、熊野本宮観光協会が地図を作った。専門家に見てもらった3本を紹介しているが、森林公園内にはその他にもクマノザクラとみられる木が複数あるという。協会は「世界遺産の地で見られるクマノザクラをアピールしていきたい」と話している。

 七越峯森林公園があるのは、世界遺産・熊野本宮大社の旧社地・大斎原(おおゆのはら)の熊野川を挟んだ対岸。ソメイヨシノやヤマザクラなど多くのサクラが植えられており、開花する季節には毎年、多くの花見客でにぎわう。

 クマノザクラは、森林総合研究所(茨城県つくば市)と県林業試験場(上富田町生馬)が紀伊半島南部に新種の野生のサクラが分布していることを確認し、2018年に発表した。

 観光協会は19年、クマノザクラを発見して命名した同研究所多摩森林科学園(東京都八王子市)の勝木俊雄・サクラ保全担当チーム長(52)に、森林公園にある3本のサクラから採取した花や葉を送って、鑑定を依頼。いずれもクマノザクラであることが分かった。

 観賞に訪れた人が分かりやすいよう木に「熊野桜」と書いた札を取り付けたほか、クマノザクラとして紹介できる木をさらに増やそうと、今年は11本の鑑定を依頼する予定という。

 観光協会は「今週末にかけてちょうど見頃になりそうなので、ぜひ見に来ていただければ」と話している。

 クマノザクラの地図は、世界遺産熊野本宮館内にある観光協会で、希望者に無償で提供している。

 問い合わせは熊野本宮観光協会(0735・42・0735)へ。