和歌山県南紀のニュース/AGARA 紀伊民報

2024年12月19日(木)

イタドリ研修会に70人 加工や新たな活用学ぶ

約70人が集まったイタドリの研修会(上富田町朝来で)
約70人が集まったイタドリの研修会(上富田町朝来で)
 上富田町朝来の上富田文化会館で、新たな収穫物として注目されるイタドリ(別名ゴンパチ)の加工や機能性成分、新たな活用についての研修会があり、約70人が参加した。県林業試験場と県工業技術センターが主催。


 近年、イタドリの栽培や新たな商品開発を検討する地域が増えつつあり、参加者はメモを取りながら講師の話に耳を傾けた。

 さまざまな加工品への可能性について、試験場の杉本小夜主査研究員が話した。試験地の例を挙げ、1反(約千平方メートル)当たりピーク時に700~800キロの収穫があり、県内の販売店で生の若芽(茎)が1キロ当たり100~300円、水煮だと750~千円で取引されていたことを紹介。茎以外の部位についてさまざまな加工品への可能性があるとして、すでに茶やゼリー、ジャム、ドレッシング、菓子などが販売されていることも説明した。

 また、若芽(茎)の収穫期は3月下旬から5月上旬にかけてだが、茎以外も利用することで、葉が5~8月、花は8~10月と、収穫できる期間が長くなることなどを強調した。このほか、和歌山県の3倍のイタドリを消費するという高知県の現状についても話した。

 イタドリに含まれる機能性成分について、センターの高垣昌史主任研究員が紹介。イタドリにクエン酸やリンゴ酸などの有機酸、レスベラトロールやケルセチンなどのポリフェノール類が多く含まれており、総ポリフェノール量はタマネギより多いことも示した。

 イタドリの概要や一般的な加工方法、下処理の違いによる茎の食感の変化についても発表があった。

 質疑応答では「隣地とのトラブルは」や「雌雄によって若芽に違いはあるのか」「6月に販売が始まる優良株の価格は」「成分はアルコールでも抽出できるのか」など、積極的に質問が飛び出した。