和歌山県南紀のニュース/AGARA 紀伊民報

2024年11月25日(月)

10日近く感染者なし 和歌山県内の新型肺炎、有田病院は4日再開へ

感染が確認された人の発覚日と現状
感染が確認された人の発覚日と現状
 全国的に新型コロナウイルスの感染者が増える中、和歌山県内では、13人目の感染が確認された2月22日以降、10日間近く、新たな感染者は確認されていない。県はこれまでに県民762人を検査し、749人の陰性を確認した。医師や入院患者の感染が相次ぎ、新規患者の受け入れなどを停止していた済生会有田病院(湯浅町)は、4日から通常業務を再開する見込みとなっている。


 県内初の感染者は有田病院の50代男性外科医で、県はその感染を確認した2月13日、仁坂吉伸知事や県幹部らによる「対策本部」を急きょ設置し、対応を協議した。仁坂知事は病院に新規患者受け入れの停止を要請するとともに、早期再開を目指し、同病院の関係者全員を検査する方針を示した。同時に、感染者が接触した可能性のある人や、県内医療機関から情報が寄せられた原因不明の肺炎患者も積極的に検査していくとした。

 有田病院関係ではその後、この外科医のほか、いずれも外来受診し一時外科病棟に入院していた70代男性と60代男性、外科医と同僚の別の50代男性外科医、70代男性と同室に入院していた60代男性の計5人の感染が分かった。

 県は病院の通常業務再開に向け、県環境衛生研究センターのほか、和歌山市や大阪府の協力も得て検査を急いだ。これまでに、同病院の医師や看護師ら職員、入院患者、出入り業者、警備員ら計474人分を完了。外科医ら5人を除く全員の陰性を確認した。病院関係者以外では医師と入院患者の濃厚接触者6人の感染も確認した。同僚外科医の妻(50代)と息子(10代)、60代男性の母(80代)、妻(50代)、弟(50代)、会社の同僚男性(40代)。

 ほかに、病院との接点が不明で、原因不明の肺炎症状があった50代男性の感染も分かった。集団感染があったクルーズ船「ダイヤモンド・プリンセス」で「災害派遣医療チーム」(DMAT)として、発熱患者への診療補助に当たった30代男性看護師の感染も明らかになった。

 13人のうち8人が2月27日までに退院。うち1人は退院後2週間の自宅待機期間を終了した。一方で70代男性は感染発覚当初から重症で、28日に亡くなった。4人は入院中だが、状態は安定しているという。

 県内では新たな感染者は確認されていないが、県は発熱などの風邪症状がある場合、休暇を取得し、外出を自粛するように求めている。