和歌山県南紀のニュース/AGARA 紀伊民報

2024年11月25日(月)

休校時の「預かり」に戸惑いも 新型肺炎で臨時の教育長会議

臨時市町村教育長会議で、休校措置について説明する和歌山県教育委員会の宮﨑泉教育長(2日、和歌山市で)
臨時市町村教育長会議で、休校措置について説明する和歌山県教育委員会の宮﨑泉教育長(2日、和歌山市で)
 新型コロナウイルスの感染拡大防止を目的に、国が全国一斉に小中高校などを春休み前まで臨時休校するよう要請したことを受け、和歌山県教育委員会は2日、臨時の市町村教育長会議を開いた。県教委が要請していた希望する児童の小学校での預かりについて、出席した教育長からは「子どもが多く集まれば、休校の意味が全くない」など戸惑いの声も上がった。


 会議で、県教委の宮﨑泉教育長は「保護者が仕事を休めず、自宅で過ごせない小学生について、全小学校に居場所の確保をお願いしたい」と依頼した。その狙いについて「子どもの生活上の安全安心が第一で、経済活動や市民生活の混乱を最小限にするのに必要な措置」と話した。

 これについて、出席した教育長から「優先順位が高いのは感染の拡大防止で、そこに神経をとがらせている。小学校で引き受け、多く集まれば、休校した意味が全くない。制限をかけるべきではないか。感染防止と矛盾するところをどう考えたらいいのか」と質問があった。宮﨑県教育長は「矛盾はしない。皆が皆、子どもを預ける形になったとしても、子どもを預けるリスクについては保護者の理解があると思う。とにかく預かっていただきたい」と改めて協力を求めた。

 小学校での預かりを学童保育と連携することについて、各教育長から「学童保育を行政が開いている所は柔軟に対応できるが、民間委託の場合、無理をお願いできない。なんとか折り合いをつけたが、希望者が増えた時にどう対応するかは大きな課題」「学童保育の指導員が、自分たちが感染を拡大させないか不安を持っていることも知ってほしい」などの声もあった。

 また、教職員の家庭訪問の在り方についての質問もあり、県教委の担当課長は「感染予防の観点から言うと、必要不可欠な場合を除き、基本的には控えてほしい」との考えを示した。

 このほか、授業の遅れへの対応について、担当課長が文科省からの資料に基づいて説明。指導できなかった分の授業を次年度にすることも考えられるが、標準授業時間数を超えて授業時間を確保する必要はない▽小中学校の卒業生については必要に応じて、進学先の学校と学習状況の情報共有をしてほしい、などと伝えた。

 卒業式開催の有無については、市町村が判断することになるが、今のところ実施する所が多いという。