「教員の非行と国の未来」
公立学校教員の荒廃ぶりを伝える報道が相次いでいる▼神戸市では、小学校の教諭4人が職場の後輩に暴力や暴言を繰り返していた事件で、外部調査委員会が125項目の暴力やハラスメントを認定した報告書を市の教育長に提出。職場の管理職がこうした状況を容認、助長する空気をつくり上げていたと指摘して学校や市教委の改革を求めた▼和歌山市では、市立小学校の男性教諭(46)が児童への体罰を恒常的に続けていたとして、県教委から停職6カ月の懲戒処分を受けた。あおむけに倒れた児童のみぞおち付近に両足で乗ったり、腰や足を複数回蹴ったり。あげくは、校門付近まで連れ出し「帰れ、明日も来るな」と言って追い返したこともある▼驚くのは、そうした体罰が昨年12月に事件が発覚するまで9カ月間、担任しているクラス(37人)の半数程度の児童に続けられていたこと。県教委は校長(54)に対しても「長期間、事実を把握できず、体罰を防ぐなどの指導監督が不十分だった」として戒告処分にした▼教員が暴君と化して後輩や児童に暴力を振るい、管理職もそれを助長する。教育委員会も有効な手を打ちきれない。これで子どもらが伸び伸びと育つだろうか▼学校とは子どもの天国。通うのが楽しみであり、日々成長の手応えをつかむ場所である。それを助けるのが大人の役割であり、知恵と指導力である。この国の未来は、教育にかかっている。(石)