和歌山県南紀のニュース/AGARA 紀伊民報

2024年12月19日(木)

いじめ認知が急増 田辺の小中学校、早期対応する姿勢浸透

 田辺市内の小中学校でいじめ認知件数が急増している。2019年度は12月末時点で小学校117件(1校当たり4・7件)、中学校41件(同2・9件)。いずれも過去10年で最多だった18年度の2倍以上となった。市教委は「いじめの定義を見直し、積極的に認知、早期対応する姿勢が浸透した」と話している。

 市教委が、弁護士や臨床心理士で構成する「市いじめ問題専門委員会」の会合で報告した。18年度は小学校54件(1校当たり2・2件)、中学校14件(同1・0件)。認知案件は年度内にほぼ解消しているという。

 いじめで多いのは、からかいや冷やかし、軽くぶつかるなどの行為。従来では、ふざけ合いやいじめの「兆候」としていたものも認知するようにしたため、件数が増加した。市教委が校長会や学校訪問でいじめの定義を説明し、周知したという。委員らも積極的な認知を評価した。

 会合ではインターネットを通じたいじめが議題となった。小学校2件、中学校3件と割合は多くはないが「不特定多数から攻撃があるネットはダメージが大きい」と指摘。「情報モラル教育は小学校低学年から始めるべきだ」「保護者の研修も必要」などの意見が出た。