和歌山県南紀のニュース/AGARA 紀伊民報

2025年12月19日(金)

紀南彩る花々 チョウ舞うよう、熊野古道でシャガ、和歌山県田辺市本宮

大日山周遊ルート沿いで見頃を迎えているシャガの群生(19日、和歌山県田辺市本宮町で)
大日山周遊ルート沿いで見頃を迎えているシャガの群生(19日、和歌山県田辺市本宮町で)
色とりどりの花が咲く、「立戸花と仲間」が管理する花壇=和歌山県田辺市天神崎で
色とりどりの花が咲く、「立戸花と仲間」が管理する花壇=和歌山県田辺市天神崎で
■チョウ舞うよう 本宮の古道でシャガ

 田辺市本宮町で、熊野古道のルート沿いに群生するシャガ(アヤメ科)が見頃を迎えた。チョウが舞う姿を思わせる白紫色の花が、古道を歩く人らを楽しませている。

 山地の湿った林下、斜面などに群生する常緑多年草で、黄と紫色の模様がある花は直径6センチほど。人里近くに多いことから、古く中国から渡来して野生化したとする説がある。「胡蝶花(こちょうか)」とも呼ばれる。

 世界遺産である熊野本宮大社の旧社地・大斎原(おおゆのはら)や湯の峰温泉などを熊野古道も歩きながら巡ることができる「大日山周遊ルート」(約9キロ)沿いなどで群生。熊野川に架かる備崎橋の近くから約150メートルにわたり、美しい花がルートを彩っている。

■天神崎の花壇 見頃 住民有志が育てる

 田辺市天神崎の立戸地域の住民有志でつくる「立戸花と仲間」(小川ミナ子代表)が管理する花壇で、色とりどりの花が咲き誇り、通行人を楽しませている。

 花壇があるのは「南紀シータイガーマリーナ」付近の道路沿い。キンセンカやビオラ、キンギョソウ、ゴテチャなど、現在は7種類ほどが見頃を迎えていて、5月初旬ごろまで楽しめるという。フジバカマやアジサイなど、今後、季節に合わせて開花する花苗も植えられている。

 花壇を造ってから今年で3年目。会員10人ほどが5月下旬~6月初めと11月の年2回、植え替えており、月1回は全員で草引きをして手入れしている。花壇内には「地域の人に花を見て安らいでもらえるように」と、木製のベンチも設置している。

 代表の小川さんは「皆さんから『きれいに咲いているね』との声を頂くのが励み。天神崎への散歩のついでに立ち寄って見ていただけるとうれしい」と話している。


次のニュースを読む