和歌山県南紀のニュース/AGARA 紀伊民報

2024年12月21日(土)

「15年で満杯」に驚きの声 広域組合がごみ処分場建設地見学

ごみ最終処分場の工事現場を見学する紀南環境広域施設組合の関係者(18日、和歌山県田辺市稲成町で)
ごみ最終処分場の工事現場を見学する紀南環境広域施設組合の関係者(18日、和歌山県田辺市稲成町で)
 和歌山県みなべ町以南の10市町(北山村を除く)でつくる紀南環境広域施設組合は18日、田辺市稲成町に建設中のごみ最終処分場の工事現場を見学した。処分場は容量19万8千立方メートルで、計画埋め立て期間は15年。見学者からは「想像以上の大きさ。これが15年で埋まるのか」と驚きの声が上がった。

 最終処分場は紀南10市町の一般廃棄物を処理する。現場は阪和自動車道南紀田辺インターチェンジの北側約300メートル付近。建設工事は2018年11月から始め、21年3月末の完成を目指している。19年度末の進捗(しんちょく)率は約40%の見込み。

 処分場内に降った雨水をため、水量を調整して、河川に放流する防災調整池は整備が完了。現在、施設で浄化前の水を貯留する施設や埋め立て廃棄物の流出を防ぐ「堤防」を建設している。今後、管理事務所を併設した水処理施設棟の建設や処理機器の設置なども進める。

 工事関係者の案内で現場を歩いて回った組合管理者の真砂充敏田辺市長は「処分場の広大さを実感できた。15年間で埋まってしまうのは想像しにくい。施設は完成して終わりではない。ごみの減量に一層力を入れないといけない」と話した。

 最終処分場の建設を目指し、組合の前身である紀南環境整備公社を設立したのは05年7月。ところが、最終候補地の選定などで事業は難航した。14年11月に稲成町内会が建設に基本同意。17年12月に用地交渉が終了し、18年2月に組合と町内会が建設同意の協定を結んだ。