和歌山県南紀のニュース/AGARA 紀伊民報

2025年04月05日(土)

紀州の梅 世界へ 漬けて展示、25年後開封、万博で梅の会

梅干しの「万博漬け」イメージ=(C)EARTH MART
梅干しの「万博漬け」イメージ=(C)EARTH MART
プロジェクトを説明する小山薫堂プロデューサー(2日、和歌山県田辺市東山1丁目で)
プロジェクトを説明する小山薫堂プロデューサー(2日、和歌山県田辺市東山1丁目で)
 13日開幕の大阪・関西万博で、和歌山県の紀州梅の会(会長=真砂充敏田辺市長)は、シグネチャーパビリオン「EARTH MART(アースマート)」と共同で、同会が提供する梅を会場で塩漬けして展示し、その後作った梅干しを25年後に食べてもらう「万博漬け」プロジェクトをする。関係者が2日、田辺市役所で会見を開き、取り組みにかける思いを語った。


 アースマートは、放送作家・脚本家の小山薫堂氏がプロデュースしたパビリオン。「いのちをつむぐ」をテーマにし、建物は全国から集められたかやを使ったかやぶき屋根を象徴として造っている。空想のスーパーマーケットとし、日本や世界の食材、年間消費量、進化する冷凍食、子どもが考えた未来のお菓子などの展示があり、有限の資源の大切さやそれを分け合う喜びを伝える。

 梅干しは、自然の恵みと人の知恵だけで長期保存できる日本古来の技術であり、万博漬けをきっかけに、その価値を見つめ直し、世界に広がるようにと願いが込められている。地球の食の未来をより良くするため、世界に共有したい日本発の食リスト「アースフーズ25」の一つにも選ばれている。

 6月、会場内で紀州梅の会が提供する南高梅約1トンを漬けて、開催期間中に展示。来場者には、25年後に実食できる引き換えチケットを配布する。万博終了後は、会が持ち帰って梅干しを作り、2050年に田辺市内で開封や引き換えイベントを開催する。来場者の思いを絵馬型のカードにも書いてもらい、熊野本宮大社で祈祷(きとう)してもらって50年まで保管する計画。

 配布イベントの日時や場所など詳細は、開催間近に紀州梅の会のホームページで発表する予定。「未来に託す食のタイムカプセル」をイメージしている。

 会見で小山氏は、田辺市の梅干しや熊野古道などによる地域との縁から今回のプロジェクトに至ったと経緯を説明し「これから時を超えて梅干しを媒介にし、人が人のことを思う優しさの装置みたいなものになれば良いなと思う」と語った。

 紀州梅の会梅干部会の杉本宗一部会長や青年部組織の若梅会の濱田朝康会長も思いを語り、真砂会長は「梅が大きな話題を生むと確信している。期間中を通じて皆さんに知ってもらえるよう、市としても協力し、万博で良い成果が得られたとなればありがたい」と語った。