～多様化する抵抗器ニーズに対応した高性能抵抗材料の実現～

● 銅系抵抗材料EFCR(R)シリーズに「EFCR(R)-25」「EFCR(R)-38」「EFCR(R)-50」が加わり、全6点に
● 銅系抵抗材料としては最小クラスから最大クラスの抵抗率（25～100μΩ・cm）に対応
● 安定した電気的特性設計における抵抗材料の選択肢を増やし、エネルギー効率の良い電気電子機器の開発に貢献

　古河電気工業株式会社（本社：東京都千代田区大手町2丁目6番4号、代表取締役社長：森平英也）は銅系抵抗材料EFCR(R)シリーズの新たなラインアップとして、「EFCR(R)-25」「EFCR(R)-38」「EFCR(R)-50」を開発しました。これにより、同シリーズの抵抗材料は6点となります。

■背景
　抵抗材料は、電気電子回路で電流の制御や電圧の調整を行う抵抗器に使用されます。近年の生成AIの進歩やデータセンタの増加によるコンピュータの高性能化をはじめ、車載リチウムイオンバッテリ充電器の電流検出の高精度化や電子機器のさらなる小型化などが進んでいます。こうした背景から、抵抗器の用途や設計も多様化し、抵抗材料には幅広い抵抗率と温度変化に対する安定した性能が求められており、顧客からは銅系抵抗材料のラインアップ拡充が期待されていました。


[画像1]https://digitalpr.jp/simg/1782/106186/500_184_2025031815514567d918014dbb8.png


図1　抵抗器の例

■内容
　このたび銅系抵抗材料EFCR(R)シリーズのラインアップにEFCR(R)-25、EFCR(R)-38、EFCR(R)-50が加わり、全6点になりました。いずれも独自の体積抵抗率を持ち、温度変化に対して安定的な電気的特性（表、図2）を有しています。鉄クロム系合金と異なり非磁性であるため、高周波の発生する状況下においても安定的な抵抗値を示します。加えて、鉄クロム系合金およびニッケルクロム系合金に比べめっきの密着性が高いため、電極との接続信頼性にも優れています。ラインアップの拡充化により、銅系抵抗材料としては最小クラスから最大クラスまでの抵抗率（25～100μΩ・cm）に対応することになり、幅広い性能の要求に応え（図4）、多様化する抵抗器の用途や設計に貢献します。
　今後も銅系材料を通じて電気電子回路部品の価値を高め、モビリティ・情報通信分野に貢献してまいります。

各製品の特長
EFCR(R)-25：体積抵抗率は同シリーズでは最低となる25μΩ・cmのため、車載リチウムイオンバッテリ充電器やスマートフォンに適した抵抗器の小型化を実現します。

EFCR(R)-38：体積抵抗率は高精度な電流検出に好適な38μΩ・cmで、温度変化に対して安定した抵抗率を保つ特性を持つため（図2）車載用抵抗器に適しており、設計の選択肢を広げることができます。

EFCR(R)-50：体積抵抗率は49μΩ・cmで、標準電気抵抗線や温度測定用熱電対等に用いられている抵抗材料Cu-Ni系合金と同等の特性を持ち代替可能であるとともに、温度変化に対する熱起電力（図3）がCu-Ni系合金（80℃における熱起電力が3mV）より低いため、直流精密抵抗器にも最適です。


[画像2]https://digitalpr.jp/simg/1782/106186/700_248_2025031815514567d91801314c0.png


表　EFCR(R)シリーズの物性値



[画像3]https://digitalpr.jp/simg/1782/106186/350_258_2025031815514567d91801567b7.png

図2　EFCR(R)シリーズの温度に対する体積抵抗率の変化率



[画像4]https://digitalpr.jp/simg/1782/106186/350_242_2025031815514567d918016e639.png





図3　EFCR(R)シリーズの温度に対する熱起電力



[画像5]https://digitalpr.jp/simg/1782/106186/700_141_2025031815514567d918014e1b0.png


図4　EFCR(R)シリーズの抵抗率

『EFCR』は日本における古河電気工業株式会社の登録商標です。

関連製品ページ
抵抗材用銅合金
https://www.furukawa.co.jp/copper/product/inc/pdf/resistance.pdf

関連ニュースリリース
世界最高クラスの高い体積抵抗率を有する銅系抵抗材「EFCR(R)-100」を開発
https://www.furukawa.co.jp/release/2024/ele_20240311.html


■古河電工グループのSDGsへの取り組み
当社グループは、国連で採択された「持続可能な開発目標（SDGs）」を念頭に置き、2030年をターゲットとした「古河電工グループ ビジョン2030」を策定して、「地球環境を守り、安全・安心・快適な生活を実現するため、情報/エネルギー/モビリティが融合した社会基盤を創る。」に向けた取り組みを進めています。ビジョン2030の達成に向けて、中長期的な企業価値向上を目指すESG経営をOpen，Agile，Innovativeに推進し、SDGsの達成に貢献します。

古河電工グループのSDGsへの取り組み
https://furukawaelectric.disclosure.site/ja/themes/182

■製品に関するお問い合わせ先
営業統括本部　電装エレクトロニクス営業部
E-MAIL：fec.kinzoku@furukawaelectric.com



プレスリリース詳細へ https://digitalpr.jp/r/106186