和歌山県南紀のニュース/AGARA 紀伊民報

2025年03月14日(金)

寒い日続き、梅の開花遅く 梅林も見頃はまだ、和歌山県田辺、みなべ

梅の開花を調べている基準園で、まだ開花が見られない「南高」の木(13日、和歌山県田辺市中三栖で)
梅の開花を調べている基準園で、まだ開花が見られない「南高」の木(13日、和歌山県田辺市中三栖で)
 今年は寒い日が続き、和歌山県の田辺市やみなべ町で、梅の開花は平年と比べると遅くなっている。13日時点で平野部の一部で開花が見られるが、全体的に花が広がる光景はまだ。開園した梅林も見頃にはなっていない。


 田辺市下三栖の農家男性(49)は「つぼみはだいぶ膨らんでいるけれど、花はたまに見るくらい。この寒さがかなり影響している」と話す。

 JA紀南が毎年、開花状況を調べている田辺市中三栖の基準園で同日、主力品種「南高」の木は、つぼみが膨らんで白い花が見えそうな枝もあるが、開花はなかった。平年(過去10年の平均値)だと、咲き始め(二分咲き)が2月6日、満開期(八分咲き)が14日となっている。

 JAの営農指導員も「気温が上がれば花は開くが、開花始めは来週以降になりそう」と話す。

 昨年は特に早くて開花始めは1月20日、満開期は1月30日だった。2023年は開花始め2月11日、満開期2月16日、22年は開花始め2月14日、満開期26日。過去10年で最も遅かったのは18年で開花始め2月19日、満開期24日だった。

 同JAによると、これまで開花が早い年は不作傾向だが、遅い年は平年作から豊作になる傾向だという。

 13日現在、みなべ町晩稲の南部梅林は「咲き始めから三分咲き」。日当たりの良い所では咲き始めているが、全体に見頃となるのはこれからという。田辺市上芳養の紀州石神田辺梅林は「つぼみ」の状態で、観梅協会は「(連休となる)22~24日あたりには咲いてほしいのだけれど」と開花を期待する。

 みなべ町東本庄の県うめ研究所は、気温を基にした開花予測プログラムを開発しており、2月13日時点の予想では、研究所にある基準木の南高の開花始めは2月16日、満開期は24日と予想している。平年(過去10年の平均)は、開花始めが8日、満開期が15日。

 ただ、プログラムにも誤差はあり、実際の木を見ると13日時点でつぼみの状態であることから、遅いと咲き始めは23日ごろになるのではないかとみている。

 研究所によると、一般的には開花が早いと、花粉を授粉してくれるミツバチの活動に適さない気温や風などの気象条件になることが多いことや、不完全な花が増える傾向にあることから、開花が遅いことは梅の実の着果には有利になる可能性はあるという。