バイオ炭でCO2削減へ 炭化炉で梅剪定枝を試し焼き 和歌山・みなべ町
梅産地和歌山県みなべ町は、処理が課題になっている梅の剪定(せんてい)枝でバイオ炭を作るための炭化炉を、清川地区のみなべ川森林組合敷地内に設置した。14日に森林組合が初めて試し焼きした。2026年度までに剪定枝の回収方法やバイオ炭が土壌改良材として使えるかどうか、活用方法などを研究する。
町は、昨年5月に国の「SDGs(持続可能な開発目標)未来都市」と「自治体SDGsモデル事業」に選ばれた。バイオ炭の製造と活用は、モデル事業の柱の一つに掲げている。
梅の栽培には剪定作業が毎年必要で、剪定した枝の多くは粉砕して畑にまいたり焼却処分したりしなければならず、農家の負担になっている。
バイオ炭は、農地にすき込むと、炭素を土壌に長期間貯留でき、二酸化炭素(CO2)の排出量を削減できる。町はCO2など温室効果ガスの排出削減量をクレジットとして国が認証する「J―クレジット」の導入も視野に入れ、その収益により剪定枝のバイオ炭化のコストを賄ったり、環境に配慮した農業システムを確立したりすることを目指している。
町政策推進課によると、町内の梅畑には1ヘクタール当たり約300本の梅が植えられている。そこから推計すると、町内には約63万9千本の梅があり、剪定枝の量は年間9067トンになる。仮にこの全量をバイオ炭にすると1260トンになり、炭素貯留量は約2500トンに上るという。
町は森林組合に委託し、剪定枝を「バイオ炭」にすることでどれだけCO2が削減できたかなどを数値化するための測定を進めていく。
今回導入した炭化炉は1基で、幅と奥行きが約1・9メートル、高さが約1・6メートル。大阪府高槻市の炭化炉製造会社「紋珠」から約700万円で購入した。
この日は、同社の研究部門である「高槻バイオチャーエネルギー研究所」(高槻市)の島田勇巳所長ら3人がみなべ町を訪れ、森林組合の職員に炭化炉の使い方を説明。実際に梅の剪定枝をチップ化したもの約250キロを試し焼きした。木材には水分が含まれているため、炭にすれば重さは半分から3分の1程度になるという。
3~4時間程度で焼き上がるが、炭化炉の中に水を入れて冷却させ、2日後、完全に冷めた状態になってから取り出す。この日焼いたバイオ炭は16日に取り出す予定。
森林組合は「スギ、ヒノキだけでなく、梅の剪定枝も木材の一つとして、有効活用の研究に貢献できれば」と話している。
今後、剪定枝の集め方やバイオ炭の活用の仕方などは、SDGsモデル事業の町民の学びの場「梅ラーニングコモンズ」の「バイオ炭」グループ(真造賢二実行委員長)で検討、協議していく。
同グループは今月20日、炭化炉でチップ加工した梅剪定枝の炭化実演や、「バイオ炭の可能性」をテーマにした勉強会を清川地区で開く。
町は、昨年5月に国の「SDGs(持続可能な開発目標)未来都市」と「自治体SDGsモデル事業」に選ばれた。バイオ炭の製造と活用は、モデル事業の柱の一つに掲げている。
梅の栽培には剪定作業が毎年必要で、剪定した枝の多くは粉砕して畑にまいたり焼却処分したりしなければならず、農家の負担になっている。
バイオ炭は、農地にすき込むと、炭素を土壌に長期間貯留でき、二酸化炭素(CO2)の排出量を削減できる。町はCO2など温室効果ガスの排出削減量をクレジットとして国が認証する「J―クレジット」の導入も視野に入れ、その収益により剪定枝のバイオ炭化のコストを賄ったり、環境に配慮した農業システムを確立したりすることを目指している。
町政策推進課によると、町内の梅畑には1ヘクタール当たり約300本の梅が植えられている。そこから推計すると、町内には約63万9千本の梅があり、剪定枝の量は年間9067トンになる。仮にこの全量をバイオ炭にすると1260トンになり、炭素貯留量は約2500トンに上るという。
町は森林組合に委託し、剪定枝を「バイオ炭」にすることでどれだけCO2が削減できたかなどを数値化するための測定を進めていく。
今回導入した炭化炉は1基で、幅と奥行きが約1・9メートル、高さが約1・6メートル。大阪府高槻市の炭化炉製造会社「紋珠」から約700万円で購入した。
この日は、同社の研究部門である「高槻バイオチャーエネルギー研究所」(高槻市)の島田勇巳所長ら3人がみなべ町を訪れ、森林組合の職員に炭化炉の使い方を説明。実際に梅の剪定枝をチップ化したもの約250キロを試し焼きした。木材には水分が含まれているため、炭にすれば重さは半分から3分の1程度になるという。
3~4時間程度で焼き上がるが、炭化炉の中に水を入れて冷却させ、2日後、完全に冷めた状態になってから取り出す。この日焼いたバイオ炭は16日に取り出す予定。
森林組合は「スギ、ヒノキだけでなく、梅の剪定枝も木材の一つとして、有効活用の研究に貢献できれば」と話している。
今後、剪定枝の集め方やバイオ炭の活用の仕方などは、SDGsモデル事業の町民の学びの場「梅ラーニングコモンズ」の「バイオ炭」グループ(真造賢二実行委員長)で検討、協議していく。
同グループは今月20日、炭化炉でチップ加工した梅剪定枝の炭化実演や、「バイオ炭の可能性」をテーマにした勉強会を清川地区で開く。