和歌山県南紀のニュース/AGARA 紀伊民報

2025年01月15日(水)

一般家庭用レンジフード国内シェアNo.1※1のFUJIOH※2 快適な空気環境の構築に繋がる新発見としてにおいが人の交感神経を抑制する可能性を三重大学との共同研究で確認

光と空気環境における「快」「不快」と人の生体反応に関する共同研究成果を発表

 富士工業株式会社(神奈川県相模原市/厨房機器製造・販売/代表取締役社長 柏村浩介 以下、FUJIOH)と三重大学研究基盤推進機構半導体・デジタル未来創造センターの湯田恵美教授は、光と空気環境における「快」「不快」と人の生体反応に関する新たな共同研究成果を発表しました。この研究は、2024年12月に札幌で開催された「国際学会IDW24(International Display Workshops 2024)」にて発表されました。本研究成果の応用により、人の身体に悪影響を与えない快適な空気環境の実現が期待されます。

※1 富士工業グループは、一般家庭用レンジフード供給台数国内シェア No.1。(2021 年 4 月 東京商工リサーチ調べ ODM 生産品含む)
※2 FUJIOH は、富士工業グループの企業ブランドです。



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作業ブースを用いた調査の様子


■研究成果の要点
 これまで主観的評価に頼っていたにおいへの「快」「不快」反応を、生体データを用いて客観的に測定する方法を開発しました。この方法により、空気環境が人の体にどのような影響を与えるかを解明し、最終的には人によって異なる「快」「不快」の反応を特定可能にすることを目指しています。これにより、個々人のニーズにあわせた快適な環境をカスタマイズして提供できる空間の構築が期待されます。
本研究では、光の色と明るさを一定に調整した環境下で、においによる「快」「不快」反応を皮膚電気活動レベル(SCL:Skin Conductance Level、交感神経の覚醒レベルを表す指標 以下、SCL)の計測を通じて評価しました。その結果、においが「快」「不快」に関わらず交感神経を抑制することが示唆されました。この発見は、においを活用した革新的なストレス軽減技術や、最適な作業環境設計への道を開く可能性があります。
さらに、時系列データの詳細な分析により、においの提示直後および提示終了直後において、「快」「不快」のにおいによって交感神経の反応パターンが異なることが判明しました。これにより、においの強度を精密に制御することで、目的に応じた最適な環境構築が可能になることを示唆しています。


■研究の背景
 新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の流行を契機に、テレワークやオンライン会議が急速に普及しました。しかし、これに伴い増設された作業ブースでは、不特定多数の利用者によるにおいの残留が問題となっています。
これまでにおいに関する研究は、主にアンケート調査による主観的評価や、心電図・血圧・唾液中のα-アミラーゼなどの生理学的データ分析による客観的評価が中心でした。
しかし、においに対する生理学的反応を詳細に調査した研究は極めて限られていました。そのため、この研究分野の未解明の部分を探るべく、新たにバイオセンサーを用いて、「快」「不快」のにおいに対する生理学的反応を明らかにすることが真の快適な空気環境の構築につながると考え、本研究プロジェクトに取り組んでいます。



■研究概要
 光の色と明るさを一定に調整した作業ブース内で、においが神経系や発汗に与える影響を、SCLの変化を通じて測定しました。同時に、においに対する主観的評価も収集しました。対象となったにおい物質は心地よい香りとして知られるリナロール(LNL)と、不快なにおいの代表例であるトランス-2-ノネナール(T2N)です。
・被験者:男女各6名、計12名
・環境条件:電球色(光色 3850K)で照度を一定に調整
・実験手順:2種類の香料を純水で希釈し、作業ブース内に散布して生体信号を測定
・被験者グループ:A群とB群に分け、午前と午後で異なる香料を提示
・評価方法:2分間の座位、起立直後1分間、2分間の立位を通じて自律神経活動を評価
・作業タスク:ディスプレイに表示される数字に対するマウスクリック作業を数分間繰り返し実施



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調査をおこなった作業ブース(論文より抜粋)


■主な発見
・交感神経系に影響を与えるSCLは、「快」なにおいのLNLよりも「不快」なにおいのT2Nを嗅いだ時に高くなると予想されていたが、本研究では有意な差は見られなかった。
・どちらのにおいを嗅いだ時も、SCLは低下し、においの「快」「不快」に関係なく交感神経活動が抑制された。

これらの結果は、においが「快」「不快」に関わらず交感神経を抑制する可能性を示唆しています。この発見は、ストレス軽減や集中力向上を目的とした新たな空間デザインの可能性を開くものです。 今後の研究では、空気環境に対する主観的評価と、SCLや心拍変動指標などの生理学的反応との関係を明らかにし、個人の感性に合わせた最適な空気環境の確立に繋げていきます。

FUJIOHは、今回の研究成果を応用し、快適な空気環境の構築を目指します。今後も、ブランドビジョン「空気を変え、環境を変え、明日を豊かに変えていく。」の実現に向けて、空気環境改善の鍵となる未解明な領域を解明し、真の快適な空気環境を構築するための技術革新に挑戦していきます。

■三重大学 研究基盤推進機構 半導体・デジタル未来創造センター 教授 兼 工学部 情報工学科 教授
湯田恵美氏 プロフィール


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東京都三鷹市出身。博士(工学)[新潟大学]。
東北大学大学院工学研究科 助教などを経て、2024年より
三重大学 研究基盤推進機構 半導体・デジタル未来創造センター 教授(現職)。
生体信号処理、生体ビッグデータ解析に関する研究に従事し、
動的生体情報応用研究室を主宰。多くの国際ジャーナルに
論文を発表しており、心拍変動と自律神経推定に関する研究
「Pitfalls of assessment of autonomic function by heart rate variability」は
広く引用されている。東北大学 未来科学技術共同研究センター、
加齢医学研究所 スマート・エイジング学際重点研究センターを兼務。
米国電気電子学会 (IEEE) シニア会員。

■関連研究
・「空気の快適さ」を「感情」で測定する研究
https://www.fujioh.com/news/normal/news_detail?id=491

・においの生理的・心理的影響に関する研究
https://www.fujioh.com/news/normal/news_detail?id=508


※ 富士工業株式会社は富士ホールディングス株式会社の100%子会社です。

【富士工業グループ会社概要】
事業概要:一般家庭用/業務用厨房機器の企画・開発設計・生産・販売・アフターサービス
代表者:代表取締役社長 柏村浩介
創立:1941年12月
所在地:神奈川県相模原市中央区淵野辺2丁目1番9号
従業員数:951名(連結従業員数)
グループ会社:
富士ホールディングス株式会社
富士工業株式会社
富士工業販売株式会社
フジテックメンテナンス株式会社
株式会社ヒートアンドクール
Fujioh International Trading Pte. Ltd.
芙子帝風商貿(上海)有限公司 (Fujioh Trading Shanghai Co.,Ltd.)
Fujioh Marketing Malaysia Sdn. Bhd.
台灣富士皇股份有限公司(Fujioh Marketing Taiwan Co., Ltd.) 
[関連会社]アリアフィーナ株式会社
公式Web:https://www.fujioh.com




本件に関するお問合わせ先
富士ホールディングス株式会社 コミュニケーションデザイングループ
TEL: 042-718-5661
E-MAIL: fujioh.cdg@fujioh.com


プレスリリース詳細へ https://digitalpr.jp/r/102197
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