和歌山県南紀のニュース/AGARA 紀伊民報

2025年01月10日(金)

インフル患者急増 警報基準の2倍近く、5年で最多、年末の和歌山県内

「和歌山県のインフルエンザ定点あたりの報告数」グラフ
「和歌山県のインフルエンザ定点あたりの報告数」グラフ
 昨年第52週(12月23~29日)の和歌山県内の1医療機関当たりインフルエンザ患者数は、警報基準(30人)の2倍近くの57・33人だった。前週から一気に増え、少なくともここ5年では最多となった。


 県内の決まった医療機関48カ所から報告を受けた。合計患者数は2752人で、保健所管内別で最も多いのが和歌山市の1094人。田辺は302人、串本は1人、新宮は131人だった。

 1医療機関当たりの県内患者数は、第50週(12月9~15日)に10・79人と注意報基準の10人を超え、第51週(16~22日)に30・63人と警報基準の30人を上回っていたが、さらに急増した。ここ5年では、2018~19年シーズンに最も流行したが、ピークは第3週(1月14~20日)の41・0人だった。

 今期は例年(流行しなかったコロナ禍を除く)と比べ、早いペースで流行している。例年「A型」は1~2月、「B型」は2~3月に流行するが、医療機関からは、今期はA型が落ち着く前にB型の流行が始まっているとの指摘もあるという。

 県によると、今期の流行の要因としては、コロナ禍に流行が抑えられ、インフルエンザに感染しやすい人口が多かったことや、新型コロナやマイコプラズマなど他の感染症に感染し、免疫が落ちた人が一定数いたこと、人の流れが活発化したことなどが考えられるとしている。

 今後の患者数については、年末年始は休診した医療機関が多いことから、第1週(12月30日~1月5日)は減少、休診が明けた第2週(6~12日)はやや増加するとみられるが、その後は落ち着いていくのではないかと予想しているという。

 県は、手洗いやうがい、換気などの基本的な感染防止対策を取るとともに、体調に異変があれば早めの休養や受診を呼びかけている。



 第52週の保健所管内別の1医療機関当たり患者数は、海南が最多の107・33人。次いで和歌山市の72・93人▽橋本57・83人▽湯浅49・50人▽岩出47・17人▽新宮43・67人▽田辺43・14人▽御坊24・67人▽串本1人―となっている。全国は64・39人。