和歌山県南紀のニュース/AGARA 紀伊民報

2025年01月09日(木)

地域で活躍 25周年 和歌山・紀南唯一のマーチングバンド「スターフィッシュ」

和歌山県すさみ町でのイベント出演で軽快な演奏を披露する「スターフィッシュ」
和歌山県すさみ町でのイベント出演で軽快な演奏を披露する「スターフィッシュ」
楽器を運搬する「スターフィッシュ号」
楽器を運搬する「スターフィッシュ号」
 楽器を演奏しながら、一糸乱れぬフォーメーションで、見る人を目でも耳でも魅了するマーチングバンド。和歌山県の紀南を拠点に活動する「スターフィッシュバンドアクティビティーズ」が、2025年に創設25周年を迎える。子どもから大人まで多世代が共に活動し、青少年の育成や音楽文化の発展を目指している。


 「スターフィッシュ」は2000年9月、「マーチングをやってみたい」というすさみ町の小中学生12人の思いから生まれた。紀南唯一のマーチングバンド。現在は小学1年生から50代まで48人で、地域のイベントに出演するほか、コンテストにも出場している。24年にはマーチングバンド関西大会で初めて金賞を受賞した。

 一時5人までメンバーが減った時期もあったが、活動が浸透し、人気が定着。体験会には毎回、大勢の参加がある。

 フラッグ(旗)などで演技するカラーガード担当の上富田町朝来小学校4年、佐々木柚心さんは「母に勧められて参加した。難しいけれど、みんなの動きがきれいに決まると楽しい」、田辺市出身で和歌山市伏虎義務教育学校4年の乾帆花さんは「最初は兄と同じ木琴をやってみたかったけど、今はカラーガードに夢中」と笑顔を見せる。

 練習やイベント出演は週末になるため、家族や学校の友達と遊びに行けないこともあるが、「新しい友達ができ、ここに来るのが楽しい」と口をそろえる。そうした活動を見て、小学1~3年生の「後輩」たちも加入している。

■県外メンバーも

 メンバーは田辺・西牟婁が中心だが、県外メンバーも3割強いる。県外メンバーは月に1回程度、土日曜の2日間を練習日に設定し、各地から紀南に集結。地元メンバーと活動する。紀南滞在時はバンドの理事が所有する空き家を「合宿所」として利用している。

 打楽器担当の会社員、高戸伸也さん(43)は、大阪府在住。以前大阪で所属していたバンドに「スターフィッシュ」出身のメンバーが加入したことで、つながりが生まれ、一時期二つのバンドを掛け持ちで活動していた。

 「バンドにはさまざまな世代、業種のメンバーがいる。大人になってから新たな友達ができるのが楽しい。子どものメンバーが多く、間近で成長を見られるのもうれしい」と話す。

■次の25年へ

 創設から携わる新谷憲史監督(52)は「少子化が進む中、次の25年を考えた時、持続可能性が大きなテーマ。楽器の保管、運搬なども大変で、専用施設の確保や運営組織の強化など環境づくりに努めたい」と話している。

 バンドの問い合わせは新谷監督(090・1677・1223)へ。