和歌山県南紀のニュース/AGARA 紀伊民報

2024年12月28日(土)

推しは意外とあなたのSNSを見ている?…推される側のアイドルに聞いた「いい推し活」と「悪い推し活」の違いとは

整形アイドル兼プロデューサーとして活動するわかにゃんさん
整形アイドル兼プロデューサーとして活動するわかにゃんさん
 今や日本人の3人に1人は「推し」がいる時代。アイドルやアニメ、キャラクターなどを“好き”という気持ちを超えて応援する「推し活」という用語もすっかり浸透したが、一口に「推し活」と言っても、ライブやイベントなどに積極的に通い、「推し」との距離を縮めたい層から、テレビ視聴、配信動画での投げ銭など、「推し」を遠くから眺めていたい層まで、その「推し方」も多様化している。「整形アイドルプロジェクト」のプロデューサー兼プレイヤーでもあるわかにゃんさんに、「推される側」の目線で「推し活」の注意点について、話を聞いた。

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■お金をかける=最高の「推し活」ではない…推しが喜ぶ「推し活」とは

 「推し活」とはアイドルやアーティスト、アニメキャラなど、特定の人物やキャラクターを「推す」=応援する活動のこと。CDやDVDの購入、ライブへの参加、配信動画での投げ銭など、「推し活」には様々な形があるが、推される側のアイドルはファンの「推し活」をどのようにみているのだろうか。

 整形アイドルグループ「私+ism(わたしイズム)」のプロデューサーでありながら、自身もアイドルとして活動しているわかにゃんさんは「意外とファンの方の手紙が一番刺さったりするんですよ」と語る。

 「推し活=お金がかかるという印象が皆さんあると思うのですが、推しの対象であるアイドルやインフルエンサーも人間なのでつまずくときって絶対にあるんです。辛い時期や辞めたいと思う時期に心に刺さるのはお金のかかったものではなく、長文の手紙だったり、DMだったりして。もらった手紙を残しておいて辛いときに読み返せるようにしているアイドルは意外と多いと思います」(わかにゃん/以下同)

 ファン側からしたら、推しの対象が1人で泣きながら手紙やメッセージを読んでいる様子は想像もできないが、わかにゃんさんによると、よく見られる光景だそう。1通の手紙が励みになるなど「お金じゃなく支えられている部分が意外と多い」という。

■容姿で評価される世界だからこそ、ファンには自身の心の内を知ってもらいたい

 ライブアイドル界隈の習慣としては、ファンから“推し”へプレゼントを渡せる文化もあるという。

 「ファンの方からプレゼントをいただいたときは、『なんでこの人私の好きなものを知っているんだろう、私どこかで言ってたけ…?』というように自身も忘れていたようなものが届くととっても嬉しいんです。アイドルに限って言えば、やっぱり容姿で評価されがちな世界なので、その中で、内面を好きって言ってもらえるとすごくうれしいです」

 整形アイドルのプロデュース業もしているわかにゃんさんは、容姿だけではなく内面を深くファンに伝えられるアイドルの育成にも力を注いている。自分のことをファンに深く伝えられるアイドルほど、会いに来てくれる回数やその人が使った金額のみでファンに優劣をつけるようなことはしないのだという。

 「推し活をしている方たちの間では、どうしても使ったお金の額や推しに会う回数で争う方もいらっしゃると思うんです。それはそれで推し活の楽しみ方なので、そのマウント合戦が原因でファンが減ってしまうとならない限りは全然いいと思いますし、推される側も本当にありがたいです。でも、容姿ではなく内面で『自分のことを理解してくれている』と感じたときに、よりファンの方の“愛”を感じます」

 そして、現代はSNS時代。わかにゃんさんは、「ここだけの話、アイドルって結構ファンの方のSNSの投稿も見てるんです」と声を潜める。

 「私もアイドルオタク出身なので、そんなことあるわけがないと思っていました。ところが地下アイドルレベルでなく、地上アイドルレベルでも結構見ている人は多いと思います。自分から推しに直接言葉を伝えたり、わざわざ目立とうとしなくても、この人は私のことをすごくポジティブに拡散しようとしてくれているんだとか、推しにとってメリットを生むような推し活をしているなとか。投稿をみているとわかるんです。やっぱり、自己的ではなく誰かに向けて、推しのための投稿をしてくださる方はうれしいです。ただ、フォローをするとバレてしまうので、こそっとファンの方の投稿見に行ってます(笑)」

■やってはいけない「推し活」…「今日は会場に人が少ないから最前へ行けてラッキー」はNG

 推しが、推し活をするファンのSNS投稿を見ている…。ここが実は、「推し活でやってはいけない行為」に直接繋がってくる。

 「これは結構ライブアイドルのあるあるなんですが、ライブ会場に行った時に、ファンの方が悪気なく、『今日は結構人が少なめでラッキー』と投稿してしまうことがあります。人が少ないから前の席に行けたと喜んでいらっしゃる投稿だと思うんですが、アイドルからすると、“人が少ないって、わざわざ言わないで…”とめちゃくちゃ思うんですね(笑)。ファンから人気がないと言われている気がして、そのファンの方に嫌な人フィルターが1つ入ってしまいます。また、イベントを開催しているイベンターさんがその投稿を見たら、自分の推しが集客のないアイドルだと思われてしまうこともあるんです」

 何気ない一言に思えるが、利己的…。自分はラッキーだったと思える投稿一つが、推しから見ればあらゆる意味で不利益になる。多くの人から推される側の“推し”も意外と細かい部分まで投稿を見ている。

 「逆に『人気すぎて、チケットが取れなかった』という投稿はすごくありがたいです。持論ですが、今活躍されている人気アイドルの方はご本人の力はもちろんですが、『人気でチケットが取れない』という投稿で大人気のイメージがつき、爆発的に人気に火がついた印象があります。正しい情報を前提としてですが、『あそこは人気で調子がいいらしい』イメージができるような投稿を拡散していただけたら一番推しのためになると思います。人気を広めるのは事務所さんの力だけでなく、ファンの方々の協力も絶対必須。ファン目線でも、せっかくお金と時間を使ってアイドルと話す機会を手に入れられたとしても、『この人、ライブ会場に人が少ないって投稿した人だ』というネガティブなフィルターが入った状態でお話されるのはうれしくないはずなので」

 自分のSNSの投稿一つにそれだけ影響力があるということを知らないファンも多い。わかにゃんさんは、若いアイドルがその言動により傷ついている姿を、何人も見てきた。ほかにも悪気がなく「痩せないの?」や「ドラマが面白くなかった」などの言葉もタブー。

 「今の時代、テレビ画面の向こうにいる方々にも、SNSで声が届く時代。ともすれば、ちょっとした一言が、若い子たちのトラウマになることもあります。私が運営やプロデュースをして思うことは、“この子を応援したい”“成長を見守りたい”という気持ちがあるのならば、どこか父親や母親のような気持ちの優しい目線で、“推し”の不利益にならない推し活をオススメします」

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