◆福井工業大学◆グッドデザイン賞 トイレ洗浄雨水タンクピュアエデン~捨てる「雨水(うすい)」から活かす「雨水(あまみず)」へ~
近年、世界各地で渇水などによる水不足が大きな問題として取り上げられており、日本国内では南海トラフ大地震の発生が直近の問題として報じられています。そのような背景の下、日常的に雨を水資源として利用しながら災害発生時にも普段通りにトイレ洗浄用水などの生活用水が確保できる製品が必要であると感じ、雨水利用研究に長年取り組んでいる本学 笠井利浩教授とデンカアステック株式会社の共同開発でトイレ洗浄用雨水タンク『ピュアエデン』が完成し、グッドデザイン賞を受賞しました。
各家庭での雨水利用の効果を高めるには大きな雨水タンクが有利です。しかしながら、都市部などでは敷地内のタンク設置スペースの制限が大きく、またマンションなどではそもそも自由に使える敷地はありません。「ピュアエデン」は多くの方々に共通する設置スペースの問題を解決するために開発された雨水タンクです。
小型の雨水タンクであっても、多くの建物に雨水タンクが設置されることで街の災害レジリエンスは高まります。さらに「ピュアエデン」に備わる水循環による清浄な雨水貯留機能(最大100L)や停電時にも1階のトイレなどで利用できる位置エネルギーによる送水機能により、もしもの時にも役立つ製品に仕上がりました。
将来的には「ピュアエデン」の利用がきっかけとなって大型の雨水タンクが社会に広がり、「雨を貯めて使うのが普通の社会」になることを願います。
【グッドデザイン賞とは】
デザインによって私たちの暮らしや社会をよりよくしていくための活動です。製品、建築、ソフトウェア、システム、サービスなど、私たちを取りまくさまざまなものごとに贈られます。かたちのある無しにかかわらず、人が何らかの理想や目的を果たすために築いたものごとをデザインととらえ、その質を評価・顕彰しています。
【トイレ洗浄用雨水タンクピュアエデンがグッドデザイン賞に選ばれた理由】
降水量不足によるダム貯水率の問題、各自治体からの節水の呼びかけが毎年というほど聞こえてくる。それらの問題意識の喚起が大切であることは明白であり、また有事・災害時の断水においては、簡易トイレの有効性は高いことが証明されてきた。製品自体の機能だけでなく、危機管理意識の促進という意味においても住宅設備の一つとして意味のある製品だ。無駄がなくシンプルな意匠も良く、住宅の壁紙に合わせた色の展開なども期待できる。
本学の笠井利浩教授は雨水活用システムの設計開発に関する研究や普及啓発活動をおこなっています。
国内では雨水のみで生活用水が賄われている長崎県五島市の赤島で大型の雨水タンクを設置、海外ではフィリピンミンダナオ島の日本人会からの打診を受けて、雨水利用の調査に取り組んでいます。
また福井県内のドリンクメーカーと共同で、あまみずドリンク(ミネラルウォーター、炭酸水、サイダー)の開発を行っています。
目標は『街で雨をためて活かすのが普通の社会』の実現です。
https://www.kanaigakuen.jp/media/othes/entry-4375.html/
雨水利用プロジェクト座談会 | TOPICS | AI & IoTセンター | 福井工業大学
http://www.fukui-ut.ac.jp/ai-iot/topics/04/
【リリース発信元】 大学プレスセンター https://www.u-presscenter.jp/
プレスリリース詳細へ https://digitalpr.jp/r/101806