【事後レポート】リユーストナーを扱う中小企業・ディエスジャパンが、コロナ禍を機に中小企業のESG経営支援に事業再構築をした理由
株式会社ディエスジャパン
CRIF Japan Seminar for Synesgy講演レポート。中小企業が世界のサプライチェーンで勝ち残るためは、世界基準のESG認証「Synesgy」でESGの課題見える化と実行が不可欠
講演中の様子。会場は満席、ESG経営に関心が高い中小企業約30社が集まりました。
株式会社ディエスジャパン(本社:大阪府東大阪市、以下「ディエスジャパン」)代表取締役の北條陽子は、2024年12月16日に都内で行われたセミナー「CRIF Japan Seminar for Synesgy」に登壇しました。北條がディエスジャパンの代表に就任した2019年から取り組んできた自社のESG経営についてや、欧州のESG規制動向、CRIF JapanのESG評価サービス「Synesgy」の活用についてお話ししました。
本リリースでは、講演の内容を抜粋してお伝えします。
講演の後、ディエスジャパンがCRIF JapanのESG評価サービス「Synesgy」でA評価を受けた認定書が授与されました。
はじめに
ディエスジャパングループは、リユーストナーの製造販売を中心に、オフィスから環境負荷低減と持続可能な社会の実現に貢献する企業です。東大阪に拠点を置き、来年創業40年を迎えます。
リユーストナーとは、オフィスにある印刷機(レーザープリンター)の中に入っているトナーカートリッジを回収し、修理・トナー充填を行って、リユース商品として販売しているものです。リユーストナーは「リサイクルトナー」と呼ばれることもあります。ここで皆さんに質問したいのですが、「リサイクルトナー」は何をリサイクルしているのかご存知ですか?
実はリサイクルという名で呼ばれることが多いものの、実際には黒いプラスチック製のカートリッジは繰り返しリユース(再利用)しているので、「リユーストナー」という呼び方が正しいです。
リサイクルとリユースの違いは、ごみとして出された廃棄物から資源として再利用するかどうか、という点です。リサイクルはごみとして出された廃棄物から使える部分を取り出して再資源化することですが、再資源化の過程でどうしてもCO2が発生します。
一方、リユースはごみにせず繰り返し使います。ディエスジャパングループが取り扱っているリユーストナーは、回収・修理をすることで何度も使うことができ、プラスチック廃棄量とCO2の削減に貢献する製品です。
リユーストナーは25年ほど前からレーザープリンターとともに普及してきましたが、「リユーストナーは安い」という点が重視され、脱炭素につながる製品であるという提供価値を、リユーストナーメーカーとして広く周知できていないことが課題です。
ディエスジャパングループは、お客様が使い終わったカートリッジを自社で回収することで、リユースにつなげる仕組みを全国で展開しています。
2019年、社長就任直後にコロナ禍でトナー需要が激減…。事業再構築とトップダウン型組織の改革にチャレンジ
私が社長に就任したのは2019年ですが、間もなく新型コロナウイルスの流行が起き、一気にペーパーレスの動きが加速しました。ペーパーレスの動きが加速したら、どうなるかわかりますか。オフィスで印刷をしなくなるので、ディエスジャパンの主事業である、リユーストナーの需要が一気になくなったんですね。
コロナ禍で時間が空いたのを機会を捉え、私は会社の事業再構築に着手しました。従業員アンケートを取って組織の課題を洗い出したり、仕入先全社を訪問したり、新事業の作り方を学ぶ事業構想大学院大学で学んだりと模索し、次第にやるべきことが見えてきました。
これまでトップダウン型だった組織風土の改革に着手し、社員の研修制度の充実、フラットな評価制度など、社内課題に一つずつ取り組んでいきました。今思い返すと、これらがESG経営の第一歩だったかもしれません。当時私の頭にはまだESGの3文字はなかったのですが。
多様性への取り組み~ウィズダイバーシティへの参加、FC大阪との協業
社長就任当初、当社で雇用している障がいのある方が、安心してお仕事ができる状況が確立できておらず、雇用環境改善が課題でした。
そこで当社は「ウィズダイバーシティプロジェクト」という中小企業の組合に参画し、共同雇用という形で障がい者雇用を推進することにしました。ウィズダイバーシティには現在60以上の発注できるサービスがあるのですが、自社リソースではそれまでなかなかできなかった業務を、ウィズダイバーシティに参加している障害者福祉事業所に発注することができ、経営としてもプラスになっています。
ウィズダイバーシティ有限責任事業組合についての詳細はこちら
https://with-d.com/
ウィズダイバーシティの仕組みについては、TBSニュース「Nスタ」でご紹介いただいた、こちらの番組もご覧ください。
https://www.youtube.com/watch?v=PWJuxOihVY4
当社が拠点を置く東大阪市でも、ダイバーシティ推進の取り組みを進めています。ディエスジャパンは同じ東大阪市を拠点に置くサッカーチーム・FC大阪とトップパートナー契約を締結しています。FC大阪を通じて東大阪の障害者福祉事業所「ノーサイド」と連携し、ボランティア活動などを行っています。
新事業・脱炭素への取り組み~リユーストナーの価値を脱炭素から再定義。自社だけでなく顧客企業の脱炭素も推進
さて、コロナを機に、ディエスジャパンの主事業であるリユーストナーの需要が減少したことで、ディエスジャパンだからこそできる新事業を考えました。当社は創業以来「環境に配慮した共生社会の実現のために環境配慮社会を実現する」をミッションに掲げてまいりました。
しかし、リユーストナーの正しい価値を十分に伝えられていないこと、そもそも商品を販売している従業員すらも正しく理解したうえで説明することができていないことを課題としていました。
そこでリユーストナーの環境価値を高めるために、創業当初からディエスジャパンがSDGsへ取り組んでいることを表すロゴ(上図の中央)を作成しました。また、チームエキスポ2025や再エネ100宣言 RE Actionへの参加、OZCaF(OSAKAゼロカーボンファウンデーション)の会員企業としての活動もスタートしました。
さらに、SBT(Science Based Targets)認定を取得しました。これは2030年までに2021年度比で温室効果ガス排出量を42%削減する計画を、国際認証機関に提出することで認証を得たものです。SBT認証は行政の入札で加点要件になることがあり、中小企業にとって取得のメリットは大きいと思います。
ディエスジャパンの中長期経営計画の中には、3つのチャレンジを盛り込んでいます。特に、自社だけで脱炭素を行うのではなく、チャレンジ3「お客様の事業活動におけるGHG排出量ゼロに貢献する」を掲げたことがポイントです。
ディエスジャパンでは、これまでリユーストナーを通じて、全国に約7万社のお客様がいらっしゃいます。そのほとんどは中小企業です。まだ脱炭素に取り組めていない中小企業に対し、【二酸化炭素排出量の見える化】から、【削減対策】【進捗確認】まで、脱炭素経営の実現に向け、ワンストップでご支援できる体制を構築しました。
それぞれのフェーズでは、ディエスジャパンも加盟している、OZCaFの会員企業とタッグを組んでソリューションのご提案をしています。
OZCaF(オオサカ・カーボン・スマートシティ・ファウンデーション)について
https://ozcaf.jp/
OZCaF参加を機にセミナー講演などの機会が増え、ラジオや新聞記事で取り上げていただきました。
「リユーストナーの環境価値を伝えていきたい」という思いのもと、2019年から手探りでやってきたことの方向性がようやく見えてきたと実感しています。
国内における脱炭素経営・ESG経営の重要性について
サステナビリティ、ESG、SDGs、脱炭素・・・言葉の違いがわかりますか
みなさんは、サステナビリティ、ESG、SDGs、脱炭素…これらの言葉の意味が正しくわかりますか。これらの言葉を分かりやすく示した図がこちら(左図)です。
脱炭素は、ESGの取り組みの中の「環境」のなかにある一つの要素なんです。ESG経営は、他に社会や企業統治(ガバナンス)も関わります。
欧州はこのESG経営が進んでいまして、日本国内でも欧州企業と取引のある企業は、ESG経営の具体的な取り組みを進めるよう、具体的な要請が来ています。それはCO2を減らすだけで応えられるものではないのです。
中小企業がサプライチェーン上で生き残るためには、世界基準に則した形でESG経営の情報開示が必要
ESG経営について日本は海外に比べて遅れを取っており、日本国内では、まだESG評価に関する統一基準はありません。ただ、情報開示の基準を作ろうという動きは出てきており、欧州基準に準ずる方向性で動いているようです。
ESG経営は大企業や海外との取引がある企業や上場企業だけのものではありません。我々のような中小企業も、国際社会のサプライチェーンで生き残るためには、世界基準に則した形でESG経営の情報開示をしなければいけない時代が、近い将来やってきます。
だからこそ、どんな基準に沿って取り組みをしていく必要があるかを、大企業ではなく中小企業も理解しておく必要があります。
ESG経営のメリットはさまざまありますが、中小企業に関してはビジネスチャンスの創出という側面が大きいと言えます。この取り組みを20年、30年やっていけば確実に変わりそうだなと実感していますし、結果としてコストダウンにもつながりました。
この話をすると「ESG経営を進めたくても、投資にお金がかかるんですよね」と言われることがあります。たしかに導入コストはかかりますが、取り組みを進めていくことでコストダウンは実現できます。
また自社の採用活動でも、我々のESG経営の取り組みやSBT認証の取得が有利になったと感じています。
脱炭素の見える化をサポートする「ファストカーボン」について
脱炭素関連の展示会に出展すると、来場された方から「大手メーカーから『脱炭素の取り組み状況を報告してほしい』と要請が来ることがあります」とよく伺います。それだけ「脱炭素」というキーワードの広まりを中小企業のまわりでも実感しますが、一方で「脱炭素って、製造業だけの話でしょう?」という企業の声も聞こえます。そのあたりをわかりやすく3分間のアニメにしたので、ぜひご覧ください。
ファストカーボン【アニメ】「脱炭素対策のせいで部下がいなくなった」編
https://www.youtube.com/watch?v=vZEwRqctLck
アニメなのでコミカルな表現をしていますが、実際に同じような状況が大手企業と取引のあるサプライチェーンの製造業さんを中心に起きています。
すぐに脱炭素経営に取り組んでください。現状を報告してください。何年までに取り組みしないと継続取引ができなくなりますと言われ、頭を抱える社長さんは少なくありません。
ファストカーボンは、中小企業であればどの会社ももっている会計データから、CO2の排出量を見える化できるクラウドサービスです。脱炭素の細かい知識なしでも、コストを抑えて楽に排出量の可視化を実現できます。
また科目別の排出量を可視化することで、コストダウンにつなげることが可能です。当社でも工場の電気代や燃料費が大きなウェイトを占めていることが可視化でき、単純にCO2の排出量ではなくコスト削減も進めています。
例えば、ディエスジャパンでは営業車のガソリン代が大きなウエイトを占めているので、運行ルートの見直しや車種の見直しをするなど、営業車で利用するガソリンの削減に取り組んでいます。全社で脱炭素を目指す中で、見直すべきところは取り組んでいこうということで全体でのコストダウンを図ろうとしています。
まずはCO2の排出量を見える化することで次の手が打ちやすくなる、そう考えています。
ディエスジャパンがCRIF Japan株式会社と連携した理由~ESG経営の課題をSynesgyで早く見える化し、取り組みを進めてほしい
ディエスジャパンはCRIF社と業務提携をしました。中小企業に対しESG経営の普及促進とCO2排出量の見える化を進め、2050年カーボンニュートラル社会の実現に貢献するとともに、日本の中小企業がグローバル化するサプライチェーンで求められる企業になるための支援を進めたいと考えています。
中小企業の脱炭素化を支援するディエスジャパン 国際基準のESG格付機関CRIFと業務提携契約を締結
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000004.000143846.html
今年の8月にCRIF Japan株式会社のESG評価サービス「Synesgy」を利用ました。約80問ある業種別の質問に答えていくのですが、分からないところは担当部署に確認しながら私が答えました。
その結果はAでした。ESGが何か分からないような状態の2019年から、相当なコストと時間をかけて取り組んできた結果が評価されたとと思います。国際的な外部認証を得たことで、採用にも取引にも有利になることを徐々に実感している状況です。
私たちはESGとは何かも知らない頃から、手探り状態でここまで来ました。だからこそ中小企業にとってESG経営はハードルが高く、一社でスタートするのが難しいことはよくわかります。ですがCRIF Japan のSynesgyのスコアを取得すれば、今後ESG経営で自社が取り組むべき課題がすぐわかり、効率良くESG経営のスタートが切れる、そう思っています。
次に、Synesgyに評価されたディエスジャパンの2つの施策についてお話しします。
まずはSBT認定を取得したことです。CO2削減の具体的な取り組みとしては、工場に太陽光発電を導入しました。これにより工場の電力は6割ぐらい自家消費しています。また2024年10月にはディエスジャパン本社の使用電力を再生可能エネルギー100%のプランに切り替えました。これにより、約9.6%程度の排出削減を実現しました。
参考:プレスリリース
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000007.000143846.html
そして、今日最初の方にお話しした障がい者雇用やや女性の活躍推進に取り組んできた結果も評価されました。
私たちは今回A評価を受けましたが、あくまでBに近いA。まだまだ課題はあります。Synesgyのスコアを取ったことで、今後取り組むべき重要課題をテーマごとに可視化でき、優先順位をつけて来年度以降の取り組みを計画的に進められています。ぜひSynesgyを多くの中小企業に導入いただきたいと思います。
今こそ攻めの脱炭素経営・ESG経営を
中小企業がESG経営をスタートするにあたっては、まず今の立ち位置を把握することはすごく重要だと思いますし、そこのハードルが上がってしまうと、我々のように手探りで何年もかけて時間をかけてやることになります。
現状を見える化して課題を特定把握し、その先の道しるべを示してくれるSynesgyを導入し、最短でESG経営を実現いただければと思っています。もっと詳しく聞いてみたいよ、ということがありましたら、ぜひご連絡ください。ご清聴ありがとうございました。
企業プレスリリース詳細へ
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CRIF Japan Seminar for Synesgy講演レポート。中小企業が世界のサプライチェーンで勝ち残るためは、世界基準のESG認証「Synesgy」でESGの課題見える化と実行が不可欠
講演中の様子。会場は満席、ESG経営に関心が高い中小企業約30社が集まりました。
株式会社ディエスジャパン(本社:大阪府東大阪市、以下「ディエスジャパン」)代表取締役の北條陽子は、2024年12月16日に都内で行われたセミナー「CRIF Japan Seminar for Synesgy」に登壇しました。北條がディエスジャパンの代表に就任した2019年から取り組んできた自社のESG経営についてや、欧州のESG規制動向、CRIF JapanのESG評価サービス「Synesgy」の活用についてお話ししました。
本リリースでは、講演の内容を抜粋してお伝えします。
講演の後、ディエスジャパンがCRIF JapanのESG評価サービス「Synesgy」でA評価を受けた認定書が授与されました。
はじめに
ディエスジャパングループは、リユーストナーの製造販売を中心に、オフィスから環境負荷低減と持続可能な社会の実現に貢献する企業です。東大阪に拠点を置き、来年創業40年を迎えます。
リユーストナーとは、オフィスにある印刷機(レーザープリンター)の中に入っているトナーカートリッジを回収し、修理・トナー充填を行って、リユース商品として販売しているものです。リユーストナーは「リサイクルトナー」と呼ばれることもあります。ここで皆さんに質問したいのですが、「リサイクルトナー」は何をリサイクルしているのかご存知ですか?
実はリサイクルという名で呼ばれることが多いものの、実際には黒いプラスチック製のカートリッジは繰り返しリユース(再利用)しているので、「リユーストナー」という呼び方が正しいです。
リサイクルとリユースの違いは、ごみとして出された廃棄物から資源として再利用するかどうか、という点です。リサイクルはごみとして出された廃棄物から使える部分を取り出して再資源化することですが、再資源化の過程でどうしてもCO2が発生します。
一方、リユースはごみにせず繰り返し使います。ディエスジャパングループが取り扱っているリユーストナーは、回収・修理をすることで何度も使うことができ、プラスチック廃棄量とCO2の削減に貢献する製品です。
リユーストナーは25年ほど前からレーザープリンターとともに普及してきましたが、「リユーストナーは安い」という点が重視され、脱炭素につながる製品であるという提供価値を、リユーストナーメーカーとして広く周知できていないことが課題です。
ディエスジャパングループは、お客様が使い終わったカートリッジを自社で回収することで、リユースにつなげる仕組みを全国で展開しています。
2019年、社長就任直後にコロナ禍でトナー需要が激減…。事業再構築とトップダウン型組織の改革にチャレンジ
私が社長に就任したのは2019年ですが、間もなく新型コロナウイルスの流行が起き、一気にペーパーレスの動きが加速しました。ペーパーレスの動きが加速したら、どうなるかわかりますか。オフィスで印刷をしなくなるので、ディエスジャパンの主事業である、リユーストナーの需要が一気になくなったんですね。
コロナ禍で時間が空いたのを機会を捉え、私は会社の事業再構築に着手しました。従業員アンケートを取って組織の課題を洗い出したり、仕入先全社を訪問したり、新事業の作り方を学ぶ事業構想大学院大学で学んだりと模索し、次第にやるべきことが見えてきました。
これまでトップダウン型だった組織風土の改革に着手し、社員の研修制度の充実、フラットな評価制度など、社内課題に一つずつ取り組んでいきました。今思い返すと、これらがESG経営の第一歩だったかもしれません。当時私の頭にはまだESGの3文字はなかったのですが。
多様性への取り組み~ウィズダイバーシティへの参加、FC大阪との協業
社長就任当初、当社で雇用している障がいのある方が、安心してお仕事ができる状況が確立できておらず、雇用環境改善が課題でした。
そこで当社は「ウィズダイバーシティプロジェクト」という中小企業の組合に参画し、共同雇用という形で障がい者雇用を推進することにしました。ウィズダイバーシティには現在60以上の発注できるサービスがあるのですが、自社リソースではそれまでなかなかできなかった業務を、ウィズダイバーシティに参加している障害者福祉事業所に発注することができ、経営としてもプラスになっています。
ウィズダイバーシティ有限責任事業組合についての詳細はこちら
https://with-d.com/
ウィズダイバーシティの仕組みについては、TBSニュース「Nスタ」でご紹介いただいた、こちらの番組もご覧ください。
https://www.youtube.com/watch?v=PWJuxOihVY4
当社が拠点を置く東大阪市でも、ダイバーシティ推進の取り組みを進めています。ディエスジャパンは同じ東大阪市を拠点に置くサッカーチーム・FC大阪とトップパートナー契約を締結しています。FC大阪を通じて東大阪の障害者福祉事業所「ノーサイド」と連携し、ボランティア活動などを行っています。
新事業・脱炭素への取り組み~リユーストナーの価値を脱炭素から再定義。自社だけでなく顧客企業の脱炭素も推進
さて、コロナを機に、ディエスジャパンの主事業であるリユーストナーの需要が減少したことで、ディエスジャパンだからこそできる新事業を考えました。当社は創業以来「環境に配慮した共生社会の実現のために環境配慮社会を実現する」をミッションに掲げてまいりました。
しかし、リユーストナーの正しい価値を十分に伝えられていないこと、そもそも商品を販売している従業員すらも正しく理解したうえで説明することができていないことを課題としていました。
そこでリユーストナーの環境価値を高めるために、創業当初からディエスジャパンがSDGsへ取り組んでいることを表すロゴ(上図の中央)を作成しました。また、チームエキスポ2025や再エネ100宣言 RE Actionへの参加、OZCaF(OSAKAゼロカーボンファウンデーション)の会員企業としての活動もスタートしました。
さらに、SBT(Science Based Targets)認定を取得しました。これは2030年までに2021年度比で温室効果ガス排出量を42%削減する計画を、国際認証機関に提出することで認証を得たものです。SBT認証は行政の入札で加点要件になることがあり、中小企業にとって取得のメリットは大きいと思います。
ディエスジャパンの中長期経営計画の中には、3つのチャレンジを盛り込んでいます。特に、自社だけで脱炭素を行うのではなく、チャレンジ3「お客様の事業活動におけるGHG排出量ゼロに貢献する」を掲げたことがポイントです。
ディエスジャパンでは、これまでリユーストナーを通じて、全国に約7万社のお客様がいらっしゃいます。そのほとんどは中小企業です。まだ脱炭素に取り組めていない中小企業に対し、【二酸化炭素排出量の見える化】から、【削減対策】【進捗確認】まで、脱炭素経営の実現に向け、ワンストップでご支援できる体制を構築しました。
それぞれのフェーズでは、ディエスジャパンも加盟している、OZCaFの会員企業とタッグを組んでソリューションのご提案をしています。
OZCaF(オオサカ・カーボン・スマートシティ・ファウンデーション)について
https://ozcaf.jp/
OZCaF参加を機にセミナー講演などの機会が増え、ラジオや新聞記事で取り上げていただきました。
「リユーストナーの環境価値を伝えていきたい」という思いのもと、2019年から手探りでやってきたことの方向性がようやく見えてきたと実感しています。
国内における脱炭素経営・ESG経営の重要性について
サステナビリティ、ESG、SDGs、脱炭素・・・言葉の違いがわかりますか
みなさんは、サステナビリティ、ESG、SDGs、脱炭素…これらの言葉の意味が正しくわかりますか。これらの言葉を分かりやすく示した図がこちら(左図)です。
脱炭素は、ESGの取り組みの中の「環境」のなかにある一つの要素なんです。ESG経営は、他に社会や企業統治(ガバナンス)も関わります。
欧州はこのESG経営が進んでいまして、日本国内でも欧州企業と取引のある企業は、ESG経営の具体的な取り組みを進めるよう、具体的な要請が来ています。それはCO2を減らすだけで応えられるものではないのです。
中小企業がサプライチェーン上で生き残るためには、世界基準に則した形でESG経営の情報開示が必要
ESG経営について日本は海外に比べて遅れを取っており、日本国内では、まだESG評価に関する統一基準はありません。ただ、情報開示の基準を作ろうという動きは出てきており、欧州基準に準ずる方向性で動いているようです。
ESG経営は大企業や海外との取引がある企業や上場企業だけのものではありません。我々のような中小企業も、国際社会のサプライチェーンで生き残るためには、世界基準に則した形でESG経営の情報開示をしなければいけない時代が、近い将来やってきます。
だからこそ、どんな基準に沿って取り組みをしていく必要があるかを、大企業ではなく中小企業も理解しておく必要があります。
ESG経営のメリットはさまざまありますが、中小企業に関してはビジネスチャンスの創出という側面が大きいと言えます。この取り組みを20年、30年やっていけば確実に変わりそうだなと実感していますし、結果としてコストダウンにもつながりました。
この話をすると「ESG経営を進めたくても、投資にお金がかかるんですよね」と言われることがあります。たしかに導入コストはかかりますが、取り組みを進めていくことでコストダウンは実現できます。
また自社の採用活動でも、我々のESG経営の取り組みやSBT認証の取得が有利になったと感じています。
脱炭素の見える化をサポートする「ファストカーボン」について
脱炭素関連の展示会に出展すると、来場された方から「大手メーカーから『脱炭素の取り組み状況を報告してほしい』と要請が来ることがあります」とよく伺います。それだけ「脱炭素」というキーワードの広まりを中小企業のまわりでも実感しますが、一方で「脱炭素って、製造業だけの話でしょう?」という企業の声も聞こえます。そのあたりをわかりやすく3分間のアニメにしたので、ぜひご覧ください。
ファストカーボン【アニメ】「脱炭素対策のせいで部下がいなくなった」編
https://www.youtube.com/watch?v=vZEwRqctLck
アニメなのでコミカルな表現をしていますが、実際に同じような状況が大手企業と取引のあるサプライチェーンの製造業さんを中心に起きています。
すぐに脱炭素経営に取り組んでください。現状を報告してください。何年までに取り組みしないと継続取引ができなくなりますと言われ、頭を抱える社長さんは少なくありません。
ファストカーボンは、中小企業であればどの会社ももっている会計データから、CO2の排出量を見える化できるクラウドサービスです。脱炭素の細かい知識なしでも、コストを抑えて楽に排出量の可視化を実現できます。
また科目別の排出量を可視化することで、コストダウンにつなげることが可能です。当社でも工場の電気代や燃料費が大きなウェイトを占めていることが可視化でき、単純にCO2の排出量ではなくコスト削減も進めています。
例えば、ディエスジャパンでは営業車のガソリン代が大きなウエイトを占めているので、運行ルートの見直しや車種の見直しをするなど、営業車で利用するガソリンの削減に取り組んでいます。全社で脱炭素を目指す中で、見直すべきところは取り組んでいこうということで全体でのコストダウンを図ろうとしています。
まずはCO2の排出量を見える化することで次の手が打ちやすくなる、そう考えています。
ディエスジャパンがCRIF Japan株式会社と連携した理由~ESG経営の課題をSynesgyで早く見える化し、取り組みを進めてほしい
ディエスジャパンはCRIF社と業務提携をしました。中小企業に対しESG経営の普及促進とCO2排出量の見える化を進め、2050年カーボンニュートラル社会の実現に貢献するとともに、日本の中小企業がグローバル化するサプライチェーンで求められる企業になるための支援を進めたいと考えています。
中小企業の脱炭素化を支援するディエスジャパン 国際基準のESG格付機関CRIFと業務提携契約を締結
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000004.000143846.html
今年の8月にCRIF Japan株式会社のESG評価サービス「Synesgy」を利用ました。約80問ある業種別の質問に答えていくのですが、分からないところは担当部署に確認しながら私が答えました。
その結果はAでした。ESGが何か分からないような状態の2019年から、相当なコストと時間をかけて取り組んできた結果が評価されたとと思います。国際的な外部認証を得たことで、採用にも取引にも有利になることを徐々に実感している状況です。
私たちはESGとは何かも知らない頃から、手探り状態でここまで来ました。だからこそ中小企業にとってESG経営はハードルが高く、一社でスタートするのが難しいことはよくわかります。ですがCRIF Japan のSynesgyのスコアを取得すれば、今後ESG経営で自社が取り組むべき課題がすぐわかり、効率良くESG経営のスタートが切れる、そう思っています。
次に、Synesgyに評価されたディエスジャパンの2つの施策についてお話しします。
まずはSBT認定を取得したことです。CO2削減の具体的な取り組みとしては、工場に太陽光発電を導入しました。これにより工場の電力は6割ぐらい自家消費しています。また2024年10月にはディエスジャパン本社の使用電力を再生可能エネルギー100%のプランに切り替えました。これにより、約9.6%程度の排出削減を実現しました。
参考:プレスリリース
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000007.000143846.html
そして、今日最初の方にお話しした障がい者雇用やや女性の活躍推進に取り組んできた結果も評価されました。
私たちは今回A評価を受けましたが、あくまでBに近いA。まだまだ課題はあります。Synesgyのスコアを取ったことで、今後取り組むべき重要課題をテーマごとに可視化でき、優先順位をつけて来年度以降の取り組みを計画的に進められています。ぜひSynesgyを多くの中小企業に導入いただきたいと思います。
今こそ攻めの脱炭素経営・ESG経営を
中小企業がESG経営をスタートするにあたっては、まず今の立ち位置を把握することはすごく重要だと思いますし、そこのハードルが上がってしまうと、我々のように手探りで何年もかけて時間をかけてやることになります。
現状を見える化して課題を特定把握し、その先の道しるべを示してくれるSynesgyを導入し、最短でESG経営を実現いただければと思っています。もっと詳しく聞いてみたいよ、ということがありましたら、ぜひご連絡ください。ご清聴ありがとうございました。
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