埼玉医大学生理学教室・伊丹千晶講師の研究が山田科学振興財団の研究援助に採択 ― 神経活動依存的な皮質神経回路の形成機構の解明
埼玉医科大学(埼玉県入間郡)生理学教室の伊丹千晶講師(創造生理学グループ)による研究がこのたび、公益財団法人山田科学振興財団(大阪市生野区)の研究援助「チャレンジ支援枠」に採択された。同財団は自然科学における多岐にわたる分野の研究を対象とした助成事業を実施しており、チャレンジ支援枠は目先の新規性を求めたものではない、これまで地道に行ってきた研究や、各分野における既存の概念を変えるようなテーマにチャレンジする研究を特に援助するもの。伊丹講師による「神経活動依存的な皮質神経回路の形成機構の解明」は、その新規性や社会的意義が高く評価さた。
山田科学振興財団は、自然科学の基礎研究を助成振興し、わが国の科学研究の向上発展と人類の福祉に寄与することを目的として設立された。同財団による基礎研究に対する援助は、自然科学分野で萌芽的・独創的な研究を多岐にわたって対象としており、応募者が多いことでも知られている。
伊丹講師による「神経活動依存的な皮質神経回路の形成機構の解明」は、このたび、同財団の研究援助「チャレンジ支援枠」に採択された。
高度な情報処理を可能にする大脳の神経回路の形成の仕組みは未だ謎が多く、その解明が切望されている基礎医学研究領域である。伊丹講師はこれまで、大脳神経細胞のシナプス形成の仕組みに関する生理学的研究を行っており、近年は大脳皮質感覚野の「カラム構造*」の形成基盤を追究。神経伝達物質の一つである「内因性カンナビノイド」が、その構造の形成において重要な役割を果たすことを示した。
この研究成果は、Proceedings of the National Academy of Science, USA誌(米国科学アカデミー紀要)に掲載されている(2022; 119(37): e2122700119. doi:10.1073/pnas.2122700119)。
伊丹講師は今回の研究助成を受けたことにより研究をさらに進め、脳の発達や学習の仕組みを明らかにするとともに、発達障害や神経疾患に対する新たな治療法を創出することを目指している。
*カラム構造
大脳皮質において縦方向に規則正しく並ぶ神経細胞の集まり。神経情報処理の基本単位とされており、その形成メカニズムは長い間謎に包まれていた。
●山田科学振興財団HP
https://yamadazaidan.jp/
・2024年度研究援助の採択者(推薦枠・女性活躍支援枠・チャレンジ支援枠)
https://yamadazaidan.jp/achievements/jigyo-kenkyu/
●伊丹千晶 講師
https://mrc-gdb.saitama-med.ac.jp/smshp/KgApp?resId=S001503
▼本件に関する問い合わせ先
広報室
蒔田喜彦
住所:埼玉県入間郡毛呂山町毛呂本郷38
TEL:049-276-2125
FAX:049-276-2086
メール:koho@saitama-med.ac.jp
【リリース発信元】 大学プレスセンター https://www.u-presscenter.jp/
プレスリリース詳細へ https://digitalpr.jp/r/101763