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2024年12月05日(木)

北山宏光、6.5万人動員の全国ツアー完走 ファンに願い「明日が少しでも明るいものでありますように」

HIROMITSU KITAYAMA『ZOO』最終公演の模様(C)TOBE Co., Ltd.
HIROMITSU KITAYAMA『ZOO』最終公演の模様(C)TOBE Co., Ltd.
 歌手・俳優の北山宏光が12月3日と4日の2日間にわたって、全国ライブツアー『HIROMITSU KITAYAMA「ZOO」』のファイナル公演を神奈川・ぴあアリーナMMで開催。全国9都市15公演で約6万5000人を動員したライブツアーを完走した。初日の模様をレポートする。

【ライブ写真】熱量あふれるパフォーマンスを披露した北山宏光

 開演前から真っ赤なペンライトの光に包まれる中、ステージ後方の巨大モニターには、草木が彩る本棚の前を動物たちがかっ歩する、神秘的な映像が。作り込まれた世界観に没頭させられる中、手拍子が始まり、観客の期待がピークに達したところで暗転した。

 アリーナ中央のステージにスポットライトがあたり、まずはwink firstのメンバーが登場。表紙に“ZOO”と書かれた本を開くと、中から鹿の仮面をつけた謎の人物が現れ、さらに客席のいたるところにも同時多発的に登場。不思議な物語の中に迷い込んでしまったかのような、怪しげな空気感に客席がざわつく中、モニターには「どう生きる」「死」「仲間」「変わっちゃいけない事」「変わり続けなければならない」「プレッシャー」「やるしかない」などのワードが次々に浮かび上がった。そんなセンセーショナルな映像をバックに、フードを被った北山が姿を現した。

 大歓声とともに、アッパーな「Can U Feel It?」で勢いよくライブはスタート。バンドメンバーによる迫力満点のサウンドと、飛び交うレーザーの高揚感で観客を圧倒した。CO2が噴き出すステージの中央で歌う北山は、青いメタリックな衣装にサングラスというアバンギャルドないでたち。疾走感あふれるメロディーを力強く歌い上げ、一瞬でアリーナの空気を掌握した。

 そのまま「乱心-RANSHIN-」へ突入。ネオン光る怪しい夜の街の中で歌う北山がサングラスを取ると、再び大きな歓声がアリーナを包んだ。コール&レスポンスも飛び交い、序盤から盛り上がりも最高潮へ。曲の終盤ではネオンが花火に変わり、北山の周りを華やかに飛び散るという華々しい演出で会場をわかせた。

 「YOU & I」では、ハードな演奏に合わせて挑発的にパフォーマンスしたり、両手でマイクを持って繊細に歌い上げたりと、豊かな歌唱スタイルを披露。センターステージでの激しいダンスから始まった「 NE:O era(※O=ストローク付き)」では、北山が銃を構えて撃つ仕草を合図に、派手に火花が噴き出し、大きな炎の柱が噴射。大迫力の演出で、観客を圧倒した。

 北山が「声聞かせてくれ!」とアグレッシブにあおると、客席の熱量も上昇。「COMIC」では4人のダンサーも加わり、ポップなメロディーと共に会場を盛り上げた。

 艶やかな雰囲気へライブのムードへ切り替えたのは「BET」。ピンクを基調とした酒棚の映像を背景に、しなやかなダンスと甘い歌声を届ける。北山がささやくように歌うと、客席からは悲鳴のような絶叫が。続く「ink.」では、北山と女性ダンサーの2人だけがライトに照らされる中、大人のラブソングをメロウに歌い上げた。

 ダンサブルなナンバー「JAM OUT」では、北山の高速ラップも飛び出し、観客の高揚をあおった。ダンサーやTRAINEE(練習生)がずらりと横一列に並び、中毒性の高いフレーズに合わせて全員で踊るステージは、エネルギーに満ちていた。

 その後も、CLASS SEVENとともにパフォーマンスした「Violet」、サウナをテーマにした楽曲「TOTONOTTE」、爽やかな空気を作り上げた「Delight」など、多彩な楽曲を次々と披露した。

 MCでは、北山が「女子!」「男子!」と客席に呼びかけ、「ちっちゃい子!」と子どもにも呼びかけ、小さなかわいい声が返ってくるという和やかな場面も。また、「こんな大きなところでやれるのは本当にうれしい。みんなありがとね」と感謝の気持ちを伝え、「せっかくだから乾杯する?」とタンブラーを掲げながら観客と乾杯。ストローでおいしそうに水分補給をする北山の姿に自然と拍手が湧き起こると、「いいね、意思疎通できているのが、ツアーしてきたって感じ」と満足気な表情を浮かべた。

 そんなリラックスした雰囲気の中、再びwink firstが登場。この日の会場である横浜にちなんだ食べ物やグッズで北山とトークを繰り広げたあと、「CANDY」をパフォーマンス。成長中の頼もしい姿とあどけなさの残るかわいらしさで、観客を魅了した。

 静かな雨音のSEから始まったのは、極上のバラードソング「雨上がりのロンド」。黒いシャツのシックな衣装に着替えた北山は、ステージ上手に腰を掛け、ゆったりと歌い上げた。客席ではペンライトで青一色の美しい景色が作り上げられていた。

 オープニングで登場した鹿の仮面たちが再び登場。豚の丸焼きやケーキなどを皿に乗せて、怪しい晩餐会の準備を始める。ひとりがフードを脱ぐと、そこには北山の姿が。長いテーブルに横一列に座った北山とダンサーは、ナイフとフォークを使ったダンスを踊りながら、「BOW」をパフォーマンス。ミュージカルを見ているかのような緻密な演出と、北山の鬼気迫るパフォーマンスに、観客は息を飲んで見守っていた。

 徐々に激しさを増し、最後には暴れ回るように踊り出した北山たちがその場に倒れこむと「Wobble」「THE BEAST」とダークなナンバーを立て続けに披露。エッジの効いた演出にふさわしい、攻撃的な表情を浮かべる北山は、真っ赤なライトで照らされながら鋭い視線で観客を射抜いた。

 北山がピンクのジャケットを羽織り、スタンドマイクで「赤い夜に」を歌い始めると、再びムードは一変。甘い空気に包まれた会場を、優しい歌声で酔わせた。「JOKER」では、ローラースケートを履いて花道を走り、センターステージで華麗なターンやバックステップを決める。曲終わりには、北山の扇動により、会場全体で巨大なウェーブを作り上げ、最高の盛り上がりを見せた。

 本編ラストを飾ったのは「in the Moonlight」。ファンへの思いを詰め込んだような愛にあふれる歌詞をあたたかい歌声で届け、「きょうという1日を一緒に楽しめて、僕もとても楽しかったし、うれしかったです。この歌詞にもあるように、みなさんの明日が少しでも明るいものでありますようにと願っています!」と、笑顔を残してステージを去った。

 客席から“みっくん“コールが始まり、アンコールへ。北山の「もう1曲行きますか!」のアナウンスから、「Just Like That」が始まった。北山がトロッコに乗り、観客の至近距離まで近づいて優しい歌声を届けると、悲鳴のような声も。この日、ラストソングとして披露したのは、ソロ曲「DON'T WANNA DIE」。イントロではどよめきと盛大な歓声がわきおこり、中には口元を押さえたり飛び跳ねたりして、歓喜するファンの姿も。北山は、特別な思いを乗せたこの曲を、まっすぐに客席を見つめながら歌い上げた。

 また、2月3日リリースの3rdシングル「Just Like That」に再録版の「DON’T WANNA DIE」が収録されることも発表。サプライズに笑顔があふれる中、最高の幸せムードと共にフィナーレを迎えた。

【ライブ写真】クールな色気を放つ北山宏光
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提供:oricon news