和歌山県南紀のニュース/AGARA 紀伊民報

2024年12月23日(月)

回答9割超が反対 12月の現保険証廃止、和歌山県保険医協会

 健康保険証機能を備えたマイナンバーカード「マイナ保険証」への一元化に伴い、12月2日に現行の保険証が廃止されることについて、和歌山県保険医協会が加盟医療機関にアンケートしたところ、6割近くの66機関が「今も混乱しており、廃止後は受け付け業務に忙殺されると思う」と回答するなど、9割超が廃止に反対していることが分かった。


 全国保険医団体連合会が9月末までに実施した全国一斉調査。県内では116機関から回答(回答率18・6%)があった。

 12月の現保険証廃止の賛否については、94・8%に当たる110機関が「反対」と回答した。

 5月以降にマイナ保険証のトラブルや不具合があったかどうかの質問には、66%の76機関が「あった」と回答した。その内容について項目を挙げて選択(複数回答可)を求めたところ、名前が画面にうまく表示されないトラブルや、カードリーダーの接続不良・認証エラーがそれぞれ4割の機関で発生した。この他にも「資格情報が無効」「該当の被保険者番号がない」「負担割合の齟齬(そご)」などさまざまなトラブルがあったという。

 記述欄には、暗証番号の間違いでロックがかかりマイナ保険証が使えなかった▽マイナ保険証の使い方が分からない高齢者が多い▽使い方の説明をしても円滑にいかず人員を割かれる▽端末のソフトが更新されず読み取り不可の状況が2週間続いた―などの回答があった。

 現保険証の廃止後の受け付け業務で予想されることについて(複数回答可)は「大きな混乱はないと思う」と回答した機関は1割に過ぎず「今も混乱しており、廃止後は受け付け業務に忙殺されると思う」「診察の待ち時間が長くなると思う」がそれぞれ6割、「スタッフを増やして対応せざるを得ないと思う」との回答もあった。

 県保険医協会事務局の広瀬泰久さんは「マイナ保険証で利便性が高まるとされてきたが、現状はそうなっておらずトラブルが続いている。引き続き、現行の保険証の存続を求めて国に働きかけていきたい」と話している。

 マイナ保険証がない人には代わりに「資格確認証」が無償交付される。