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2024年10月17日(木)

松本若菜、2期連続ドラマ主演も意識変わらず「いただいた役をやりきるしかない」【インタビュー】

木曜劇場『わたしの宝物』に主演する松本若菜 (C)フジテレビ
木曜劇場『わたしの宝物』に主演する松本若菜 (C)フジテレビ
 俳優の松本若菜(40)が主演を務める17日スタートのフジテレビ系木曜劇場『わたしの宝物』(後10:00 ※初回15分拡大)。7月期『西園寺さんは家事をしない』(TBS系)のハートフルでエネルギッシュな主人公から一転、禁忌を犯すダークなヒロインに挑戦。いまや映像作品に引っ張りだこで、2クール連続主演となった松本が今作にかける意気込みや役柄への思いを語った。

【写真】甘美なキスシーンを演じる松本若菜

 『昼顔~平日午後3時の恋人たち~』(2014年)、『あなたがしてくれなくても』(2023年)で女性たちの本音やタブーを大胆に描いてきた制作陣が送る今作は、夫以外の男性との子どもを、夫との子と偽って産んで育てる「托卵」を題材にした大人の恋愛ドラマ。

 松本が演じる神崎美羽は、モラハラ夫・神崎宏樹(田中圭)に耐えながら籠の中の鳥のような生活を送る女性。ある日、かつて密(ひそ)かに思い続けていた幼なじみ・冬月稜(深澤辰哉)と偶然再会。宏樹のある行動がきっかけでついに冬月と一夜を共にしてしまい、彼の子どもを宿してしまう。

 「この子だけは、必ず私が幸せにする」と、愛する人の残してくれた宝物を守るために、悪女になる決断をする美羽。冬月との子どもを、宏樹の子どもであると偽り、彼に育てさせる。しかし、この「托卵」という禁断の決断が、美羽、宏樹、冬月、3人の運命を激しく狂わせていく…。

■想像を裏切る“悪女”にトライ「一つのエンターテイメントとして楽しめるように」

――撮影が始まって少し経っていると思うんですけれども、現場の雰囲気ですとか役に関する理解ですとか変化がありましたら教えてください。

撮影が始まって3週間くらい経ち、私は3、4日撮影に入るのが遅くなったのですが、もともと私が木曜劇場に出演経験があったので、スタッフさんも知っている方たちも多く、すごく入りやすい空気感でクランクインできました。物語自体、ハッピーなホームドラマではないのですが、撮影のときはスタッフの皆さんが気を遣って空気感を作ってくれるというかそういうところもあうんの呼吸ができていて、話が進むにつれてどんどんと空気も良くなって、共演者の皆さんも普段は明るい方たちが多いので、オンとオフの切り替えとかが上手く、そういうところでとても助かっています。

――役柄に関して撮影に入る前後で印象が変わったりしましたか。

物語がちょっとダークなお話ではあるのですが、かといってお芝居の仕方もダークにするのはやめようと。田中圭さん演じる夫・宏樹とのシーンも暗くしようと思ったら、しやすい役だと思うんですが、演じ方としてあえてそうではないやり方をしようと監督とクランクイン前から話していました。実際に演じてみても、人間って本当につらい時こそ逆に明るく話したりするものだよなと思うし、そっちの方がやはりスーッと入ってきました。話が進むにつれて、美羽という役の心情や環境も変わってきているので、演じる上での気持ちの変化はあるんですが、根本としてついつい普段から作り笑顔でみんなの空気を読んでしまう…みたいな性格は変わらず持っているっていうところをわかりやすくしないようにしようと気をつけています。

――美羽のセリフにも「悪女になる」というものがあるんですけども、松本さんご自身は美羽をどう捉えていらっしゃいますか。

“ザ・悪女”って実は多分すごく演じやすいと思うんですよ。このドラマを知っていただくなかで「悪女」というワードが出てきて、“不倫ドラマ”というところで想像しがちな悪女とは多分違う風にはなっていると思うのでそこはある意味で裏切っていきたい。私が演じる美羽がどうして悪女になったのか、悪女にならないといけなくなった理由とかっていうのも、1話のかなりスピード感のある展開のなか「あ、そうか、美羽は悪女にならざるを得なかったのか」とわかる。他の周りの人たちのキャラクターもすごく重要で分かっていくとこのドラマの面白さや重みみたいなのも出てくる。その中で私はずっといろいろな悪女の顔を持っていたいというのはありますね。

――芝居としてやっぱり説得力を持たせるというか、悪女になっても仕方ないなっていうのを視聴者に伝えるっていうところもあるのでしょうか。

そこが難しく、私は不倫に対して肯定はしないのでただこれを一つのお話としてこういう物語があってもいいんじゃないかというのは思っています。ただ他人事ではなくて結構ある話と言ったら怖いのですが、もしかしたら自分の近くにもこういうことがあるのかもしれない…みたいな人間の怖さも見てもらえるようにはしたい。一つのエンターテイメントとして楽しめるようになったらいいな。

■シリアスな内容ながらも現場は和やか “夫”田中圭、“最愛の男”深澤辰哉の印象語る

――田中さんや深澤さんとはどんなお話をされたかなとか教えていただけますか。

思い出せないくらいどうでもいい話ばっかり(笑)。私がドラマに入る前に深澤さんと田中さんの2人で番宣に出られたみたいで…その時にすごく仲良くなっていらっしゃって2人で小学生男子みたいな感じでワイワイしゃべっているので、私はそれを注意する学級委員みたいな感じ(笑)。でも一緒になってワーって遊んでいます。和気あいあいとしていて、いつも深澤くんをとにかく2人でツッコんでます。

――田中圭さんのモラハラ夫ぶりはいかがですか。

最初に田中さん、深澤さんと3人で本読みをさせてもらったんですけど、その時から田中さんはもう本当に完璧に作ってきていらっしゃって。宏樹のバックボーンを知ると、「なるほどな」と思うこととかもあるので、すごく説得力のあるお芝居の仕方をされている。あんな旦那さんは嫌ですけど(笑)。作り笑顔をしながら生活を送っている美羽を見て、逆にイラってする方ももしかしたらいるかもしれない。宏樹に感情移入する方もいるかもしれない。いろんな見え方があっていいと思いますし、いろいろなキャラクターに感情移入できる物語になっていると思います。近くでみていても田中さんはすごいなって本当に思います。

――深澤さん演じる冬月は美羽にとってヒーローのような存在です。

中学生時代の幼なじみで、私は中学3年生、冬月くんは中学1年生の2個下。その時から呼び捨てで呼んできたり「いたいた、こういう男子」みたいな子なんですけど…だけどふとした時に発する言葉だったりがずっと美羽の心の中にも残っていて美羽もすごく大切に思っていた青春時代の好きだった人。何十年かぶりに出会ってまたその恋心が燃え上がって…という話の中で深澤さんもクランクイン前からちょっと悩んでいらっしゃって。監督から「大人の色気を出してくれ」って言われたみたいで「どうやって出すんですか?」って(笑)。でも冗談も言いながらすごくすてきに冬月くん演じられている。普段の彼が見せているバラエティーでの顔とドラマでの顔というのはまったく違うので、そこでまた違う魅力を見ることができる。もう冬月くんにしか見えない。カメラに立つとそういうところはすごく助かっています。

■“托卵妻”には恐怖心もあった「人間である以上やっぱり嫌われたくない」

――2クール連続で主演を務められ、バラエティー番組にも数多く出演されるなど活躍が目覚ましい松本さん。生活や気持ちに変化などはありましたか。

2クール連続はいろいろなご縁があって、とてもありがたい思いでいっぱいです。正直、スケジュール的には大変ですし、やるからにはそれぞれの作品に愛情を持って参加しているので極力バラエティーの番宣で知っていただきたいというのもある。ドラマは「見よう」と思って見てくださっている方がいるけど、バラエティーはいろいろな世代の方、そのドラマを視聴している以外の方とかも見てくださっているので、そこで私という存在を知って「変なヤツがいる」じゃないですけど(笑)、私は一生懸命にやっているだけなんですがそういう風に思ってドラマの方に来ていただくのもうれしいです。生活はそんなに変わってはいないのですが気持ちとしては忙しくなったとしてもやることは同じ。とにかく一生懸命いただいた役をやりきるしかないというのを念頭において自分の中でもそれを大事にしていかなくちゃいけないと思っています。

――去年の秋ぐらいからずっと連続ドラマにもご出演だと思いますが、今回はどのような気持ちで役と向き合っていらっしゃいますか。

今回の役はとってもやりがいはあるけど怖かったです。観ている方たちは決して肯定ばかりの人ではないと思います。私も逆に、やはり応援はできない人なので。ですけど、その中で私は美羽に少しでも近づけるために、その役をどうやってひも解いていこうか。もし、美羽がすごく近くにいる人だったら…とか家族だったら…と思った時に肯定はしないながらも、自分はどうやってその人とその人のそばにいることができるか。そう思うと、いろいろな感情が出てくる。結局、美羽もそうですけど、誰かに助けてほしいとは思っていなくて、自分がその道を選んだからには自分もそれぞれの罰を受けなければならない。そういう気持ちでいるので悲劇のヒロインにはならないようにというのを思いながら演じています。今回の役も自分のプラスにしたいのでただただ頑張るのみだなという風に思っています

――美羽役は怖かったという感情のなかには、作品のテーマ「托卵」であることにオファーを受けた時に迷いのようなお気持ちもあったのかなと思いました。

人間である以上やっぱり嫌われたくないですし。でも役だからといって断ち切るわけではなく生身の自分が、松本若菜が演じる美羽だったら…と思うと、だんだんそれでもいいかっていう風に思えるようになってきて。それで嫌われたら本望だ、じゃないですけど。でも嫌ですけどね(笑)。けれどそういう風に見えるんだったら、見てもらえるのだったら私もそれでまた一つ俳優として代表作になるなっていう風に思えましたし、これからどんな役が来るか分からないですけど、きっとこういう役ってもうないだろうなと思いましたので、一人の女性としてしっかり美羽を生きていこうと思います。

――『昼顔』『あなして』三部作ということや『西園寺さん』の反響もあり世間からの注目度も高い作品です。

高いですね…ありがたいことに1つ前に演じていた役(西園寺さん)がいつもワクワクしているような役なので真逆と言うか。でも、俳優の仕事をしているとそれが醍醐味。いろんな役を通していろいろな人の人生を経験できるのは役者の仕事しかないと思うので、だからまた違う一人の女性としてこの3ヶ月間というのを皆さんに見届けていただきたいな、と思います。

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