和歌山県南紀のニュース/AGARA 紀伊民報

2024年10月10日(木)

こっちのけんと、兄・菅田将暉&弟・菅生新樹の3人でのラジオ競演を熱望 活動の原動力は“自慢の息子”になりたい想い

こっちのけんと (C)ORICON NewS inc.
こっちのけんと (C)ORICON NewS inc.
 今年5月リリースの「はいよろこんで」の総再生回数が100億超えするなど、ブレイク中のアーティスト・こっちのけんと。兄に俳優で歌手の菅田将暉、弟に俳優の菅生新樹を持ち、先日のテレビ番組で菅田の弟であるからこそ経験した“苦悩”を明かしたことでも話題だ。そんなこっちのけんとが、10月13日(日)放送のTBS系バラエティー『この歌詞が刺さった!グッとフレーズ』(後9:00~10:48)に初出演。収録直後の本人に、出演した感想や曲がヒットしている反響、兄弟について、今後の野望を聞いた。

【動画】こっちのけんと、“菅田将暉の弟”としての苦悩を告白

■刺さるのは“人の内面”が出ている歌詞

番組は「心に刺さった歌詞」に注目し、名曲の魅力を再発見する歌詞特化型の音楽番組。加藤浩次がMCを務め、アーティストゲストに小渕健太郎(コブクロ)、矢井田 瞳、こっちのけんと、岡崎体育、ゲストに阿部亮平(Snow Man)、飯尾和樹(ずん)、岡田結実、川村エミコ(たんぽぽ)、土田晃之が主演する。

――バラエティー番組への出演は珍しいと思いますが、出演を決断したきっかけや収録の感想は?

こっちのけんと:僕も歌詞にこだわりがあり、もともとこの番組は好きなこともあって、参加してみたいと思いました。場の会話を楽しみながらも、大学のオープンキャンパスに行っている感覚でした(笑)。

――けんとさん的に刺さる歌詞のタイプの方向性は?

こっちのけんと:表現が難しいですけど“文句”でしょうか。「いやそれはこうだろう」とか「俺はこう思っていたのに、なんで?」みたいな、自分の弱さや悩み、本音が出ていて、「この人が歌わないと意味がなさない」ような、人の内面が出ている歌詞が好きです。

――ご自身が歌詞を書くときも、そういうことを意識しているのでしょうか。

こっちのけんと:そうですね。僕の曲にしかならないようなものを出したいと思っています。

――どんなときに歌詞を考えられるのでしょうか?

こっちのけんと:精神的に落ち込み気味なときですね(笑)。「落ち込んでいる」と感じている段階ではまだ客観的になんです。「もう本当に嫌だ!」となって叫びたくなるようなときにパソコンを開いてボイスメモも立ち上げ、どんなモヤモヤを抱えているかを実際に言葉として発しています。あくまで“ひとり言”ではなく、話し手と聞き手を分け、自分で自分の相談に乗ってもらいながら歌詞を作っていきます。

――番組では「はいよろこんで」の歌詞について、本人解説のコーナーがありました。リスナーの解釈を聞くのはどうでしたか。

こっちのけんと:自分の考えていることと真逆だったら怖いと思っていましたが、伝わっている軸はちゃんとある喜びを感じられました。作ったのは僕でみなさんは聴いてくれているだけなのに、そこまで理解していただけてるんだと、とてもうれしかったです!

――一般の方の分析力がすごいですよね。

こっちのけんと:すごいですよね! 熱心に聴いてくれているんだなって思いました。だからこそ下手なもの作れないし、力を抜いたり手を抜いたりしたらバレるのだろうなって感じました。

――言葉を選ばず恐縮ですが、病んでいることを明るく語れるのはなんとも言えないですね。

こっちのけんと:僕も最近ではありますが、それこそ「はいよろこんで」の歌詞を受け入れてくださっている方たちの声が力になって、表立って言えているのはあります。

■外国人からの声かけで“バズり”を確信

――「死ぬな!」「はいよろこんで」と立て続けにヒットしていますが、反響をどう受け止められていますか?

こっちのけんと:正直言うと、いまだに信じられません。ただただ運がいいなと感じています。そもそも作詞作曲すべて自分だけではなく、トラックを作ってくださっているGRPさん、今回だったら映像を作ったかねひさ和哉さんなど、たくさんの方が関わってくれての結果なのでなおさらうれしいんですよね。

――反響を実感したエピソードがあれば教えてください。

こっちのけんと:大阪に帰ったとき、駅のホームで肩をトントンとされて振り返ったら、海外の男性2人にスマホでMVを出されて「You?」って言われたとき、さすがにバズってるなと思いました(笑)。

――そういった反響を踏まえて、プライベートで変わったことはありますか?

こっちのけんと:これまでは曲制作が主だったので家に引きこもっている状態でしたが、今は外に出ることが多い生活に変わり、バスタオルと下着の洗濯が追い付かないです(笑)。朝も夜もお風呂に入るのでバスタオルの量が足りない…。私生活で一番変わったことです(笑)。

――ところで歌手を目指そうと思ったきっかけはあるんでしょうか?

こっちのけんと:目指していたというより、うつ病でサラリーマンができなくなったとき、好きなことでもやっておこうと思って歌っていたらお声掛けをいただき、オリジナルを作るようになりました。今もその感じは変わらず「歌手になれた!」ではなく、いまだに「これで大丈夫かな?」という気持ちで歌っている感じですね。

――影響を受けたアーティストはいますか?

こっちのけんと:いろんな方はいますけど、一番はやっぱり菅田将暉の曲。身近にいたからこそ兄の努力を見ていたし、本音が出ている歌詞を書くので刺さりまくるんです。(役者として)いろんな人の人生を経験してきた上での言葉でもありますし、「あの時はこんなことを思っていたんだ。気づいてあげられていなかったな」と思うと、より好きになっちゃいますね。

――お兄さんの歌詞の“本音”は、弟だからこそわかることもあるのでしょうか?

こっちのけんと:多分、兄のボキャブラリーの“原点”には漫画の影響もあると思うんです。僕も兄のおさがりで同じ漫画を読んでいたので、似たような言葉を出す癖はあると思います。その中で「わー。この言葉使うんや!」というのを同業になってより感じます。メロディー上は母音の口の開き方的に合わないけど入れているってことは、めっちゃ伝えたい言葉なんだろうなぁとか。

――直接、音楽の話はしますか。

こっちのけんと:お互いの曲の褒め合いはめっちゃします(笑)。この前も兄のライブを見に行って、「この曲はここが良い」とか「グッズかわいすぎ」とかファン目線な連絡をしました(笑)。

――ご自身の曲について、印象に残っている言葉はありますか?

こっちのけんと:「けんとらしいな」と言ってくれたのはうれしかったです。自分らしく音楽できている証明になった気がします。

■菅田将暉の弟として苦しむもあふれ出る兄弟愛

――先日、テレビ番組で菅田将暉の弟として過ごした学生時代の苦悩を吐露された文章が話題となり、私もとても突き刺さりました。

こっちのけんと:よかったー…!あれは受け入れてもらえるのかも心配で…人生懸けるつもりでがんばりました。

――当時はどのような想いを抱えていらしたのでしょうか。

こっちのけんと:比較には関して僕自身もするし、それがひとつの物差し・指標にもなるので、比較自体はそんな嫌ではありません。でも、どこへ行っても自分の名前がさて置かれて “弟”と呼ばれていることに悩んでいました。自分も“兄”のことを“菅田将暉”だと思って喋っていたこともあったりして。

――公表して良かったですか?

こっちのけんと:そうですね。比べて兄弟の違いを楽しんでもらえたら…という気持ちになれたので。自分で勝手にきょうだいと比較して落ち込んじゃう人は多分いると思いますが、「兄弟ががんばっているのから自分もがんばろう」みたいな気持ちになってもらえたらという意味でも(菅田将暉の弟ということを)出していこうと思いました。

――弟さんも俳優として活躍されていますね。

こっちのけんと:あの子ったら兄と同じ俳優を、しかも本名でやっているのは、どういうハートの強さなんだって(笑)。それでいて心から俳優を楽しんでいるので、デカくなるなと思いながら見ています。

――けんとさんの活動の原動力は何ですか?

こっちのけんと:恩返しという言葉はちょっと重すぎて違うけど、感覚としては似ています。今の状態は自分だけじゃできないのは明らかすぎるし、所属レーベルや家族の支えはもちろん、昔から“自慢の息子”になりたい想いがあり、そこがモチベーションです。自分がどうこうより、これに出たりこれを歌ったりしたら喜んでもらえるだろうなという気持ちですね。

――今後の目標・野望は?

こっちのけんと:野望としては自分のラジオを持ちたいです。喋るのも好きですし、自分で自分の声を聞くのもちょっと好きなところがあって。多分アカペラ時代に、録音をして楽器がない状態で自分の声を聞きまくっていたのもあり、安心感のきっかけとして自分の声があるからかな。唯一、自分のためにしたいことはラジオかもしれないです。

――ラジオだと兄弟競演できそうですよね。

こっちのけんと:そうなんですよ!もしいつか共演できるとしても、面と向かって喋っているのを撮られるのは恥ずかしくて(笑)。ラジオだと喋りだけなので本音も出そうですし、「こういうところ直せよ」みたいなのを笑いながら言い合いたいですね。

――アーティストとしての野望は?

こっちのけんと:“自慢の息子”がモチベーションなので、おじいちゃんおばあちゃんが見るような番組で歌いたいというのはありますね。

――つまり…?

こっちのけんと:叶わなくなっちゃう気がしするので、あまり言いたくないです(笑)。『アイシールド21』という漫画に、キッドという選手がいるんですが、その人は野望を口に出さないようなキャラクター。ただ最後の最後で言ったシーンで、その瞬間にデッカい選手に倒されて骨折してしまうというシーンがあって…それがトラウマになっちゃっています。自分も言った瞬間、沈められるのでは……と(笑)。

――一方で言霊派もいますよね。

こっちのけんと:それもありますね!家に帰ったら「あれ出たい!これやりたい!」と、めっちゃ言います。ただ、練習中ならいいけど試合中に言うのはちょっと油断しすぎみたいな気持ちです。今は試合中なんで(笑)。

取材・文:遠藤政樹
撮影:山崎美津留



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提供:oricon news