和歌山県南紀のニュース/AGARA 紀伊民報

2024年10月07日(月)

海洋プラスチック問題解決に向けたアップサイクルの新たな挑戦

株式会社REMARE
株式会社REMAREとフィッシャーマン・ジャパンが提携開始




海洋プラスチック問題への取り組みを強化するため、プラスチックのアップサイクル事業に取り組む株式会社REMARE(本社:三重県鳥羽市、以下REMARE)と、全国の漁業関係者に深い繋がりを持つフィッシャーマン・ジャパン・グループ(本社:宮城県石巻市、以下フィッシャーマン・ジャパン)が、海洋環境の改善と水産業従事者支援の両立に向けた業務提携を発表しました。

両社は互いの強みを活かし、海洋プラスチックのアップサイクルを中心に、水産業を取り巻く環境問題解決に向けたビジネスモデルを、今後ともに構築していきます。

この提携の第一歩として両社は、REMAREが製造する使用済み漁具由来のアップサイクル製品「GYOG」の販売を、大規模に推進していきます。




「GYOG」製品について
REMAREが製造する「GYOG」は、使用済みの漁具由来100%のマテリアルリサイクル製品で、板材やペレットといった形上で製造を行うことが可能です。板材は、主に建材や内装材として用いることができます。
日本における海洋プラスチック問題において、漁業ゴミは、見て見ぬふりのできない大きな存在です。漁業界には、どうしても一度のみしか使用のできない漁具や、避けがたく海に流出してしまうプラスチックなどの問題が存在します。しかし、その一方で、漁業者は海水温の上昇による収入の大幅な減少や、産業廃棄費用の高騰といった問題についても悩まされているのが現状です。
REMAREは、漁業者と一緒にこの問題を解決するため、使用済みの漁具を有価で買い取り、新たな価値を持つプロダクトへと変換していく試みを行なっています。




使用後の漁具は、年月を経て生まれる独特の風合いと、人の手では作り出せない表情を持っています。
「GYOG」は、そうした使用済み漁具の魅力をそのまま活かし、サステナブルでデザイン性の高い製品を作ろうという試みのもと、誕生しました。
廃棄予定であった漁具を新たな形へとアップサイクルすることで、海洋プラスチック問題の解決に貢献するだけでなく、付加価値を持つ製品として市場に再度送り出し、資源の再循環化を図っています。


フィッシャーマン・ジャパンの取り組み
フィッシャーマン・ジャパンは、宮城県石巻市を拠点とする漁業団体で、2014年の設立以来、水産業の担い手育成事業や飲食店展開・輸出を通じた販路開拓事業などを手がけてきました。しかし近年、水産業の課題解決を行う中で、海洋環境そのものの持続可能性に対して危機感を強めています。

そこでFJでは、2023年に海洋環境の保全に特化したインパクト投資のスキームとして国内初の試みである「フィッシャーマンジャパン・ブルーファンド」を設立。これまで海洋環境保全に取り組む企業2社に対して投資を実行しています(うち1社がREMARE)。さらに2024年8月には、スタートアップ企業と連携し、廃棄物であったホヤ殻を活用して代替プラスチック素材を開発。水産資源のアップサイクルを通して、海洋プラスチック問題にも取り組んできました。




今回、REMAREと連携することで、これまでの海洋環境保全に向けた動きを強化するとともに、漁業団体として見過ごすことができない漁業ゴミに由来する海洋プラスチック問題の解決を目指します。

提携の目的と期待
今回の提携は、海洋プラスチック問題の根本解決を目指す第一歩として、アップサイクル製品の販売拡大を通じ、持続可能な漁業と環境保護を両立させていくことを目的としています。
REMAREが提供する「GYOG」製品は、使用済みの漁具をアップサイクルして新たな価値を生み出す製品であり、製造規模をより拡大していくことで、海洋プラスチックの削減に貢献することができます。





両社はこの提携を通じて、廃プラスチックの再利用を促進し、漁業と環境の両面で持続可能な未来を実現することを目指します。
これにより、海洋プラスチック問題の解決に向けた新たなビジョンを社会に提示し、アップサイクルの可能性を広げていくことで、延いては環境問題全般に対する一つの回答を投げかけることにも繋がります。
今後とも両社は、水産業を入り口として、環境問題に対する全般的な解決と、持続可能な循環型社会の実現を目指し、取り組んでいく所存です。

両社代表者からのコメント
■フィッシャーマン・ジャパン・グループ 取締役COO 土合和樹


海に生きる漁業者や私たちにとって、深刻さを増す海洋汚染は見過ごすことのできない問題です。中でも海洋プラスチックは漁具由来のゴミが大きな割合を占めているというデータもあり、私たち水産業界自らが主体的に取り組んでいかなければなりません。
いまだ絶対的な解決策のないプラスチック問題において、REMAREが掲げる「プラスチックを社会に貯蔵する」というアプローチはとてもユニークで革新的です。漁業の持続可能性についても本気で考えているREMAREとパートナーシップを組んで取り組んでいけることに、大きな可能性を感じています。
水産業界だけでは解決が難しい大きな課題に対しても、REMAREを始めとした様々なプレイヤーとパートナーシップを結びながら、資源を循環させていく未来を一緒に築いていきたいと考えています。





■株式会社REMARE 代表取締役 間瀬 雅介



日本における海洋プラスチックの大きな割合を占めるものとして漁業由来の廃材の存在は見逃せません。
プラスチックのアップサイクルを得意とするREMAREと、全国の漁業者と繋がりの深いフィッシャーマン・ジャパンが提携を行うことで、より広範囲における漁具の再資源化が加速していくと確信しています。
今回の提携により、産廃費用に悩む漁業者の支援を行いながら、海を起点とした環境問題の解決にも貢献する、という2点において両立した活動を行うことが可能となります。これは、今後日本の漁業と環境の持続可能性を考える上で、非常に有益なことだと自負しています。
今後とも、フィッシャーマン・ジャパンとの強力なタッグのもと、サステナブルな社会の実現に向け、より社会還元性の強い取り組みを行っていけるよう、尽力してまいります。




会社概要

■フィッシャーマン・ジャパン・グループ

本社所在地:宮城県石巻市
代表理事:阿部勝太
URL:https://fishermanjapan.com/
漁業のイメージをカッコよくて、稼げて、革新的な「新3K」に変え、次世代へと続く未来の水産業の形を提案していく若手漁師集団。三陸に多様な能力をもつ新しい職種「フィッシャーマン」を1000人増やすというビジョンを掲げ、新しい働き方の提案や業種を超えた関わりによって水産業に変革を起こすことを目指す。現在フィッシャーマン・ジャパンは水産業の担い手育成や採用支援などを行う「一般社団法人フィッシャーマン・ジャパン」と国内外への販路開拓を行う「株式会社フィッシャーマン・ジャパン・マーケティング」の2社で構成している。

■株式会社REMARE

本社所在地:三重県鳥羽市
代表取締役:間瀬 雅介
URL:https://remare.jp/
2021年8月設立。海洋プラスチックおよび企業から排出される複合プラスチックを用いた、マテリアルリサイクル製品としての建材・内装材の製造を行なっている。製品は唯一無二の独特の風合いを持ち、SDGs的観点とデザイン性・アート性の両面で高い評価を受けている。また、企業由来の複合プラスチックを再活用することで、scope3におけるGHGの削減にも貢献している。幅広い複合プラスチックの種類において製品製造を行うことができる独自の技術を持ち、課題を抱える企業に伴走するラボのような役割も担っている。

お問い合わせ先
フィッシャーマン・ジャパン グループ
marketing@fishermanjapan.com

株式会社REMARE
info@remarematerial.com
【お問い合わせフォーム】
https://remare.jp/contact
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