和歌山県南紀のニュース/AGARA 紀伊民報

2024年11月23日(土)

【東芝デジタルソリューションズ】創薬困難なタンパク質をターゲットとしたIT創薬について戦略的に提携し、事業を開始

~量子インスパイアード最適化ソリューション「SQBM+™」を活用し、創薬ターゲットとなるタンパク質を拡大し新薬創出に貢献~



2024-8-26
株式会社Revorf
東芝デジタルソリューションズ株式会社


創薬困難なタンパク質をターゲットとしたIT創薬について戦略的に提携し、事業を開始
~量子インスパイアード最適化ソリューション「SQBM+™」を活用し、
創薬ターゲットとなるタンパク質を拡大し新薬創出に貢献~



 株式会社Revorf(本社:東京都中央区、代表取締役:末田 伸一、以下 Revorf)と東芝デジタルソリューションズ株式会社(本社:神奈川県川崎市、取締役社長:島田 太郎、以下 東芝デジタルソリューションズ)は、アロステリック創薬注1分野において、創薬困難なタンパク質をターゲットとしたIT創薬ソリューションの提供へ向けた戦略提携契約を締結しました。また、あわせて東芝デジタルソリューションズはRevorfに出資を行いました。

 本提携に基づき、両社は、Revorfが有する生体情報の高度計算処理技術および創薬分野の専門家によるデータ分析力と、東芝デジタルソリューションズの量子インスパイア―ド最適化ソリューション「SQBM+」といった両社の強みを組み合わせて、量子インスパイアード技術注2を用いたIT創薬ソリューションを共同開発し、製薬企業に提供します。



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 両社は2022年6月、SQBM+を活用して、タンパク質のアロステリック制御(タンパク質に機能的多様性をもたらす立体構造や活性を特異的に調節する機構)の予測を高精度に行う技術を開発し、計算創薬への適用性を検証したことを発表しました注3。その後、両社は予測精度を高める共同研究を進め、さらにin vitro(イン・ビトロ)実験注4で実証を行った結果、実用化の目処が立ち、また本技術に対する市場からの期待も確認できたことから、今回、戦略的提携に合意し、アロステリック創薬分野において連携および協業を開始します。今後、RevorfはSQBM+によって可能になったアロステリック制御予測技術を、製薬会社への創薬支援や共同研究に適用することを計画しています。東芝デジタルソリューションズは、SQBM+を中心として創薬プロセスのさらなる効率化を実現し、Revorfの事業の価値を高める技術を戦略的に提供して行きます。

 両社はこれまで、アロステリック制御の予測をSQBM+で解く量子計算アルゴリズムを共同で開発してきました。今回の提携を通じて、新たなIT創薬ソリューションの開発を加速し、創薬分野における社会問題の解決に貢献していきます。


■ 株式会社Revorf 代表取締役 末田 伸一のコメント
 Revorfは、『人々の当たり前の健康が脅かされない世界』を目指し、情報解析技術と独自のバイオ技術を融合させることにより、検査事業・創薬事業・創薬支援事業を展開しています。
本技術は、共同研究の中で、東芝デジタルソリューションズの皆様と弊社の木村と西川をはじめとした多分野に跨る人材の深い協議と、多段階の技術開発により完成しました。本技術により、創薬可能な新規ターゲット領域を検出することで、創薬ターゲットの枯渇により有効な治療薬の創出が困難であるという課題の解決を克服し、人々の当たり前の健康が脅かされない世界を目指します。

■ 東芝デジタルソリューションズ株式会社 取締役常務 月野 浩のコメント
 当社は量子インスパイアード最適化技術の社会実装へ向けて、ユースケースの探索とパートナーシップを確立してきました。この度、Revorfとの戦略的提携を発表できることを大変嬉しく思います。Revorfの先進的なアロステリック創薬技術と当社の量子インスパイアード最適化ソリューションSQBM+を組み合わせることで、創薬プロセスの革新を目指します。この協業により、より迅速かつ効果的な新薬の開発が可能となり、創薬分野における新たな価値を創出できると確信しています。



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(左から)Revorf 取締役COO 木村 圭一、Revorf 代表取締役 末田 伸一、 東芝デジタルソリューションズ 取締役常務 月野 浩、東芝デジタルソリューションズ ICTソリューション事業部 データ事業推進部 ゼネラルマネジャー 矢崎 貴久


<SQBM+について>
 株式会社東芝の研究開発センターにおける量子コンピューターの研究過程で発明された、シミュレーテッド分岐アルゴリズムを実装した組合せ最適化問題を高速に求解するソリューションです。「SQBM+」は、既存の計算機を使用して、複雑で大規模な問題の高精度な近似解(良解)を短時間で得ることが可能です。東芝ソリューションズでは、「SQBM+」を活用して、さまざまなパートナーとともに、株式市場における高速高頻度取引への疑似量子計算機適用の有効性に関する検証注5や、工場倉庫内のピッキングルートおよび棚配置の最適化による物流管理の実証注6、エネルギーマネジメントや材料開発での有効性の検証などを行ってきました。

<アロステリック創薬について>
 タンパク質のアロステリック制御機構を活用した創薬です。従来の活性中心をターゲットとした創薬とは異なり、アロステリック創薬ではアロステリック調節因子が結合する部位(アロステリック制御部位)をターゲットにすることで、創薬ターゲットの増大、特異性の高い薬剤の創出、さらに副作用の低減の可能性など多くの利点があります。一方、タンパク質におけるアロステリック制御部位を発見するためには、多大な労力と時間を要するin vitro実験が必要であることから、これを代替しコンピューター上で治療薬の設計や評価を行うIT創薬への期待が高まっています。


■ 株式会社Revorfについて
 株式会社Revorfは感染症領域・自己免疫疾患領域を中心に情報解析技術と独自のバイオ技術を融合させることにより、検査事業・創薬事業・創薬支援事業を展開し、人々の当たり前の健康のために、貢献し続けます。
 https://www.revorf.jp/

■ 東芝デジタルソリューションズについて
 東芝デジタルソリューションズは、東芝グループのデジタルソリューション事業を担う企業としてIoTや人工知能(AI)などのデジタル技術や量子技術を活用した事業をグローバルに展開しています。東芝グループの幅広い事業領域で生まれるさまざまなデータの力を最大限に活用し、プラットフォーム化を推進することで価値あるサービスを次々に生み出し、カーボンニュートラルやサーキュラーエコノミーの実現に貢献していきます。東芝グループの経営理念「人と、地球の、明日のために。」のもと、お客さまやパートナーの皆さまとともに、新しい価値を持続的に創造していきます。
 https://www.global.toshiba/jp/company/digitalsolution.html


注1:タンパク質は必要なときに適宜機能を発揮するように調節因子により制御されており、この機構をアロステリック制御という。調節因子が結合する部位(アロステリック制御部位)を標的にすることで、創薬ターゲットの増大、特異性の高い薬剤の創出、さらに副作用低減の可能性など多くの利点があるため、アロステリック制御部位を同定する技術は新薬開発の成功確率を高めるカギとなる技術と考えられている。
注2:量子インスパイアード技術:量子コンピューターの原理やアルゴリズムに着想し、古典的なコンピューター上で実行する技術。これにより、量子コンピューターの持つ計算能力を一部再現し、組合せ最適化問題などの複雑な問題を高速かつ高精度に解決することが可能である。
注3:東芝デジタルソリューションズニュースリリース(2022年6月):量子インスパイアード最適化ソリューション「SQBM+™」を活用し、計算創薬への適用技術を検証:
https://www.global.toshiba/jp/company/digitalsolution/news/2022/0627.html
注4:in vitro実験:in vitroとは「試験管内で」という意味であり、in vitro実験とは、試験管や培養器内で生体内を模倣した環境を人工的に作り実験を行うことをいう。
注5:東芝ニュースリリース(2023年12月): 世界初、計算困難な2次離散最適化に基づく高度な株式取引戦略を量子インスパイアード計算機「シミュレーテッド分岐マシン」を用いて執行するシステムを実証:
https://www.global.toshiba/jp/technology/corporate/rdc/rd/topics/23/2312-03.html
注6:東芝デジタルソリューションズニュースリリース(2024年4月):TOPPANデジタルと東芝デジタルソリューションズ、量子インスパイアード最適化ソリューションSQBM+™を活用した、工場倉庫内のピッキングルートおよび棚配置の最適化を実証:
https://www.global.toshiba/jp/news/digitalsolution/2024/04/news-20240424-01.html


※SQBM+は、東芝デジタルソリューションズ株式会社の日本またはその他の国における登録商標または商標です。
※その他、本文章に記載されている社名および商品名はそれぞれ各社が商標または登録商標として使用している場合があります。
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