和歌山県南紀のニュース/AGARA 紀伊民報

2024年12月22日(日)

豪雨、台風に備えよう プロに聞く気象情報活用法

防災気象情報活用を支援する杉岡成彦さん(和歌山市で)
防災気象情報活用を支援する杉岡成彦さん(和歌山市で)
気象庁ホームページのスマートフォン用画面
気象庁ホームページのスマートフォン用画面
 全国各地で、毎年のように集中豪雨による洪水や土砂災害などが発生している。台風シーズンを迎え、気象災害から身を守るため、気象庁ホームページの情報をどう活用すればいいのか。和歌山地方気象台の杉岡成彦・リスクコミュニケーション推進官に聞いた。


 台風が発生した時、まず早期注意情報をチェックしてください。警報級の現象を5日先まで予想し、可能性を「高」「中」の2段階で発表しています。例えば3日後に「高」なら、そこに照準を合わせて災害への準備をします。これが警戒レベル1です。

 警戒レベル2が注意報、レベル3は警報です。警報・注意報は、対象の基準となる現象が起きるまで時間に余裕を持って発表しています。その間に避難準備などを進めてください。自治体の出す「高齢者等避難」はレベル3に相当します。

 レベル4が土砂災害警戒情報や氾濫危険情報など。自治体では「避難指示」に相当します。

 迅速に避難行動するため、あらかじめ住まいの環境を把握し、市町村のハザードマップを確認することが大切です。土砂災害は大丈夫だけれど、洪水は心配など、立地により訪れる危機は異なります。いずれも心配なく、備蓄品もあるのなら、自宅が安全な避難場所となります。

 避難の判断に役立つのが「キキクル」です。「土砂災害」「浸水害」「洪水害」のリアルタイムの危険度が分かります。危険度を1キロごとに黄(注意)、赤(警戒)、紫(危険)、黒(災害切迫)と色分けしています。住まいが赤以上の危険度となった場合は、早めの避難を心がけてください。キキクルは帰省先や旅行先でも役立ちます。

■雨がやんでも警戒を

 雨がそんなに降っていない、もしくはもう台風が去ったのに警戒情報を継続している場合があります。雨がしみ込んで土壌中にたまると土砂災害、雨がしみ込まずに地表面にたまると浸水害、雨が上流域から集まり河川を流れ下ると洪水災害のリスクが高まるからです。そういう場合は、例え晴れていてももう少し避難を継続してください。

 こうした情報は気象庁のホームページで確認できます。台風接近時は「大雨・台風」のボタンをクリックすると必要な情報がまとめて出てきます。

 普段から情報に触れておくと、いざという時も活用しやすい。降水ナウキャスト(雨雲の動き)は、雨雲の動きを把握できるため、雨が降り出す時間帯や場所などの予測ができます。「今日は傘が必要かな」「洗濯物を干して大丈夫かな」。そうした日常生活で活用してもらえれば、災害時にも生かせます。いずれの情報もスマートフォンに対応しています。