和歌山県南紀のニュース/AGARA 紀伊民報

2024年12月19日(木)

傷痕気にせず温泉に 龍神の宿泊施設で入浴着好評

入浴着と利用を呼び掛けるポスター(和歌山県田辺市龍神村龍神で)
入浴着と利用を呼び掛けるポスター(和歌山県田辺市龍神村龍神で)
 和歌山県田辺市龍神村龍神の宿泊施設「季楽里龍神」では、乳がん手術などの傷痕を気にせず温泉に入れる入浴着を導入している。龍神温泉郷は日本三美人の湯の一つとして知られ、施設は「多くの女性に安心して温泉を楽しんでもらいたい」と呼び掛けている。

 入浴着は入浴専用の肌着。吸水しにくい素材で作られており、せっけんなども簡単に洗い流すことができる。着用したまま入浴しても衛生面に問題がない。

 術後の傷痕を気にする女性にも快適な旅ができる環境づくりを推進する「ピンクリボンのお宿ネットワーク」の取り組み。全国に旅館やホテルなどの加盟施設があり、季楽里龍神は県内の施設としては唯一加盟している。

 季楽里龍神では従業員の声をきっかけに約3年前に加盟した。フロント周辺でチラシを掲示し、客に利用を呼び掛けている。レンタル料は300円。売店で販売(税込み4400円)もしている。

 施設には露天風呂もあるため、入浴着を着て温泉情緒を満喫できると好評を得ているという。チラシでは衛生面の説明をし、他の利用客にも浴槽内への持ち込みができる旨を紹介している。

 施設の担当者は「チラシに目を止める人もおり、認知度が上がっていると感じる。美人の湯の名ににふさわしく、今後も女性に優しい施設を目指したい」と話している。