和歌山県南紀のニュース/AGARA 紀伊民報

2024年12月25日(水)

川の氾濫を想定 白浜町庄川区が避難訓練

3種類の口径のホースを持って放水体験をする訓練参加者(和歌山県白浜町庄川で)
3種類の口径のホースを持って放水体験をする訓練参加者(和歌山県白浜町庄川で)
 和歌山県白浜町庄川の庄川自主防災会が15日、大雨で富田川や庄川が氾濫したと想定し避難訓練を実施。住民約120人と消防関係者ら約30人が参加した。区では来年度、道路沿いに消火器や消火用ホースの格納庫を設置したい考え。それに先立ち3種類の口径のホースを使った放水訓練もした。

 午前9時に町防災行政無線で訓練開始を放送。住民は集落内を流れる庄川沿いの県道を通って区民会館に避難した。川が氾濫すると県道が通れなくなる所があるため、早めに車で避難する人もいた。

 会館では町建設課の職員が土砂災害マップについて、区内に危険区域が53カ所あるなどと話した。また、町危機管理室の職員が風水害時の各種避難情報について説明。「各家庭で避難計画を立て、できれば紙に書いて分かるようにしてほしい。避難時に何を持ち出すかの備えもして」などと呼び掛けた。

 庄川区では2011年9月の紀伊半島大水害時に95戸が床上・床下浸水した。会館には当時の様子を撮影した写真などを展示。水害後、側溝の水をくみ上げるポンプの設置を町に要望、設置されるまでの経緯を示した文書や津波、ため池、土砂災害など各種ハザードマップも展示した。

 会館の外では家庭用消火器の扱い方の説明を受けたほか、直径が65ミリ、50ミリ、40ミリのホースを参加者が交代で持ち、近くの田に向けて勢いよく放水。径が異なるホースの通水時の反動を体験した。

 自主防災会の湯川清志会長(71)は「正月には家族が集まるので、ぜひ各種ハザードマップを見て自分の命は自分で守る相談をしてほしい。お年寄りの多い家では薬の持ち出しなども意識し、みんなで話し合って」と呼び掛けた。