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2024年07月08日(月)

奈緒、心配の声に「私は大丈夫」 主演作の監督発言に本音「好きにしゃべっていいと言われたので」【最後のあいさつほぼ全文掲載】

「私は大丈夫」と心境を明かした奈緒(C)ORICON NewS inc.
「私は大丈夫」と心境を明かした奈緒(C)ORICON NewS inc.
 俳優・奈緒が5日、都内で行われた主演映画『先生の白い嘘』の公開初日舞台あいさつに登壇し、インティマシーコーディネーターの起用をめぐる心配の声に対し、思いを語った。

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 今作は2013年から17年まで「月刊モーニング・ツー」(講談社)で連載された、鳥飼茜氏の同名漫画(全8巻)が原作。ひとりの女性が抱える「自らの性に対する矛盾した感情」や、男女間に存在する「性の格差」に向き合う姿を描くことで、人の根底にある醜さと美しさを映し出したヒューマンドラマとなっている。男女の性差に翻弄(ほんろう)され葛藤する主人公の高校教師・原美鈴を奈緒が演じる。

 インティマシーコーディネーターとは、映像作品などで性的な描写をする際、俳優や制作スタッフが安心して作品づくりに取り組めるよう、肉体的、精神的にサポートする役割を担う。今作をめぐっては、奈緒がインティマシーコーディネーターの採用を希望したものの、三木監督の希望によって設置しなかったことが明らかになり、物議を醸していた。

 イベント前には、プロデューサーが制作陣としてのコメントを読み上げ、謝罪。三木監督は「今回、私の不用意な発言により皆さまに多大なるご迷惑とご心配をおかけしたことをこの場を借りて謝罪したいと思います。本当に申し訳ございませんでした」と頭を下げ、「さらに関係者、スタッフ、キャストにも大きな大きな苦しみを与えてしまったことをこの場で謝罪したいと思います。本当に申し訳ございませんでした。さらに、原作の鳥飼茜先生、この作品に尽力していただいたにもかかわらず、裏切るようなかたちになり、本当に申し訳ございませんでした。最後にこのような状況でもこの場にお集まりいただいたみなさん、感謝しかございません。本当にありがとうございました」と伝えた。

 続けて、奈緒は「見終わった後ということで、お気持ち大丈夫ですか」と観客に配慮。「私は大丈夫です。それを伝えようと思っていました」とコメントし、「皆さん、いろいろな葛藤がある中、作品を見届けてくださってありがとうございます」と感謝した。

 また、イベント最後には奈緒が「好きにしゃべっていいと言われたので、今からお話しすることは私の心からの気持ちです。きのうの記事(前述の問題が明らかになったインタビュー)があってから、ご不安を抱えさせてしまっている部分があると思うのですが、ひとつご説明したいのは、私自身は原作に心からほれ込み、出演することを自分で決めました。その中でいろいろなやり取りがあり、すれ違いがあったことも事実です。でも、権力に屈することは一切なく、対等な関係で監督ともお話をしましたし、言いたいことは伝えました。伝えた上で、お話し合いをしていたと思っていましたが、どうしても現場に対して不十分だと思う部分が正直ありました」と経緯を説明。

 「私自身がもっとコミュニケーションを取り、公開するにあたって、皆さんを傷つけないように言葉を選んで、ちゃんとお話できていなかったことが、皆さんの不安を招いてしまったのかなと、私自身は自分のこととして深く反省しております。でも、権力の違いとかはなく、対等なものでしたので、そこはご安心して、胸を痛めるシーンはあるのですが、私のことを心配してくださってる声も届いていますので、大丈夫ですとお伝えしたいです」とした。

 そして「映画が公開するにあたってお伝えしたいと思っていたことが2つあります」と切り出し、「まずは、作品を作る上でこういったテーマに触れることに関して、どうしても自分の胸に手を当てて『私は大丈夫だろうか』『人を傷つけることをしていないだろうか』と胸を当て続けなければ、この作品も作れませんでしたし、社会で人同士が共存していく上で大切なことだと学びました。これからそうやって生きて行こうと思います」と力を込めた。

 続けて「どんなにきれいな川にも淀みはおきます。その淀みばかりを見てしまうと、どうしてもそこばかりが大きくなってしまって、全体のきれいな部分が見えなくなってしまうと私自身は思っています。それもこの作品で学びました。なので、自分の誠意を脅かすものがあれば、そういう人が現れたなら、まずは自分の気持ちを守ってください」と呼びかけ。「その誠意を脅かすような言葉には、しっかりとノーと言ってください。それが自分を守ることにつながると思います。相手には家族がいて、大切な人がいて、そういう人たちが集まってこの社会で生きているんだということを、少しでもこの映画で感じてくださるとうれしいなと思います」と伝えた。

 さらに、報道陣に対しては「発信していただく身なのですが、限られた文字数や制限があることは重々承知しています。きょうのことが伝わるかという部分は怖くもありながら心から信頼しております。取材していただいているのもご縁だと思っておりますので、ご配慮いただけるとうれしいなと思います」と伝え、「すべての人が自分自身を守れる。誰かが悲しんでいたら手を指し伸ばすことができるような淀みのない川を、あきらめず目指したいと思います」と語った。

 イベントには、猪狩蒼弥(HiHi Jets)、三吉彩花、風間俊介も登壇した。

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提供:oricon news