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2024年11月25日(月)

粘菌とアート作品 熊楠記念館で特別展、和歌山・白浜町

粘菌をモチーフにしたアート作品(和歌山県白浜町で)
粘菌をモチーフにしたアート作品(和歌山県白浜町で)
 和歌山県白浜町の南方熊楠記念館は7月1日から、特別展「南方熊楠と粘菌・アート作品展―採集・研究・芸術への昇華―」を開催する。熊楠が粘菌研究を通じて交流した若手研究者との手紙や粘菌に魅せられたアーティストたちの作品を展示する。9月23日まで。

 展示品は約200点。岡山県出身の植物研究者宇野確雄(1895~1984)が熊楠から受け取った粘菌標本や、同県出身の博物学者佐藤清明(1905~98)に熊楠が送った粘菌について書いた書簡などを紹介する。

 熊楠が描いた粘菌の図、昭和天皇から下賜された熊楠の粘菌標本写真、ルリホコリとアオウツボホコリの粘菌標本もある。

 粘菌のアート作品は、絵や写真のほか、ピアスやブローチなどのアクセサリー、マスキングテープなど。

■シンポジウムも開催

 記念館は9月16日午後1時~3時、同館多目的室で特別展シンポジウム「熊楠・粘菌・そしてアートへ」を開く。唐澤太輔さん(秋田公立美術大学)が「粘菌の中の大宇宙―熊楠の言説を背景とした粘菌アートへの展開―」、川上新一さん(和歌山県立自然博物館)が「変形菌のおもしろ発見物語」、片岡祥三さん(マメホコリ工房)が「粘菌との出会いから、粘菌を作品へと再構成する魅力」をテーマに話す。定員35人。

 前日の15日午後1時~3時には、同館新館ロビーで唐澤さんによる粘菌を粘土やマスキングテープを使って表現するアートイベントがある。幼児も参加できる。定員20人。

 7月7日、8月18日、9月1日と22日の午後2時から約20分、記念館の三村宜敬学芸員によるギャラリートークがある。

 開館時間は午前9時~午後5時(入館は午後4時半まで)。木曜休館。入館料は高校生以上600円、小中学生300円、幼児無料。

 なお、7月20日~8月31日は無休で、小中学生、高校生の入館は無料。

 イベント参加の申し込みなどは記念館(0739・42・2872)へ。