和歌山県南紀のニュース/AGARA 紀伊民報

2024年11月16日(土)

江戸時代の龍神温泉カラーに パソコンで挿絵に色付け

江戸時代の龍神温泉などの挿絵に色を付けた作品が展示されている(和歌山県田辺市龍神村安井で)
江戸時代の龍神温泉などの挿絵に色を付けた作品が展示されている(和歌山県田辺市龍神村安井で)
 和歌山県田辺市湊、あおい書店社長の多屋朋三さん(74)が、江戸時代の書物に収められている龍神温泉の挿絵に色を付けた作品「パソコンでぬり絵」が、同市龍神村安井の龍神市民センターで展示されている。28日まで。

 多屋さんは、江戸や明治といった古い書物に収められている挿絵に、パソコンを使って色を付ける創作活動をしている。すでにみなべ町の風景を使い、地元の郷土史家山本賢さんの説明文入りで「昔の本の挿絵にパソコンでぬり絵 南部」と題した冊子を作製。同町の小中学校や図書館に配布した。

 今回は、1851(嘉永4)年出版の「紀伊国名所図会」の中にある挿絵を使った。龍神温泉郷一帯を描いた「龍神温泉全図」の他、「龍神温泉客舎街」「龍神温泉浴室」を紹介している。

 この他に「殿垣内(大熊辺り)風景」「日高川の天婆伊の滝付近の筏(いかだ)下り」「城ガ森付近の風景」があり、自然の景観や産業を紹介。「龍神辺の村家にて檜笠を製る」として人々の生活の様子も伝えている。

 多屋さんは、友人にアドバイスを受けながら想像を膨らませて作業したといい「細部を見ると、当時の温泉街の様子がよく分かる」と話している。