和歌山県南紀のニュース/AGARA 紀伊民報

2024年12月23日(月)

7振興局に「協力隊」 地域課題解決へ、和歌山県が初めて募集

西牟婁振興局が入っている総合庁舎(7日、和歌山県田辺市朝日ケ丘で)
西牟婁振興局が入っている総合庁舎(7日、和歌山県田辺市朝日ケ丘で)
 和歌山県は地域課題の解決に一緒に取り組んでもらう人材として、振興局ごとに「地域おこし協力隊」を募集している。県による地域おこし協力隊募集は初めて。担当課は「外からの視点で、地域課題解決のアイデアを出し、情報発信などの技術を生かして活動していただきたい」と話している。


 本年度から始めた振興局の機能強化の一環。人口減が加速し、地域課題が多様化、複雑化していく中、地域に近い振興局が中心になって取り組みを進める。

 地域おこし協力隊は、自治体の委嘱を受けて、都市部などから移住した人が活性化などの活動に取り組みながら定住を図る制度。県内では市町村が以前から活用している。

 協力隊には、各振興局が設けたテーマに沿う業務をしてもらう。西牟婁振興局は、紀南の市町などでつくる「紀南エリアサイクルツーリズム協議会」と連携し、県南部のサイクリングルート「クマイチ」の魅力発信に取り組む。協力隊には「サイクルツーリズムコーディネーター」として、コースの検証やマップ作成、情報発信などをしてもらう。

 他の振興局のテーマは、東牟婁=空き家の利活用に向けた掘り起こし、情報発信▽日高=教育旅行誘致をメインにした体験型観光の推進▽有田=有田地域の観光素材の掘り起こし、体験観光周遊プランの創出▽海草=SNSを活用した海南海草地域の魅力発信▽那賀=サイクリングを通じた魅力発信と誘客・周遊促進▽伊都=移住者情報の収集・発信、移住者同士の交流促進。

 募集人数は各振興局1人ずつの計7人。面接などの審査をして決定する。委嘱期間は11月から来年3月末までの予定。審査を経て、さらに2年間延長可能としている。その後は各地域への定住を期待している。

 募集期間は8月16日まで。募集説明会を大阪市で7月6日、東京都で7日に開く。募集の詳細は県の特設サイトに記載している。問い合わせは県地域振興課(073・441・2426)か、各振興局の地域づくり課へ。