和歌山県南紀のニュース/AGARA 紀伊民報

2024年11月24日(日)

課題の解決へ、串本古座高

地域の観光課題について解説する南紀串本観光協会の木下大己さん(和歌山県串本町串本で)
地域の観光課題について解説する南紀串本観光協会の木下大己さん(和歌山県串本町串本で)
 和歌山県の串本古座高校(和歌山県串本町串本)の地域探究、文理探究の各コースに所属する1年生約80人が、地域の課題解決に取り組む授業を受けている。5月28日は地元串本町の観光協会や建設業者、町出身のスポーツ選手から地域の現状や課題などを聞いた。

 地域課題を聞いて解決に向けたアイデアを考え、仲間に伝えることを狙いとした「地域探究」の授業。この日は、南紀串本観光協会の木下大己さんと人見建設の人見翔さん、関西サッカーリーグ1部のアルテリーヴォ和歌山(和歌山市)に所属する同町潮岬出身の小久保裕也選手が講師を務めた。

 生徒は二つの分野を選んで講師の話を聞いた。木下さんは、町内の観光業について解説した。串本には1500~2千種類の魚が生息しており釣りは大きな観光資源だと紹介。ロケットも観光面で大きな可能性を秘めているとする一方で、観光客の受け入れ態勢が整っていないという課題があると述べた。

 授業ではその後、県の起業家教育の推進などを手がける地域・教育魅力化プラットフォームの鈴木健さんが探究の基礎について講演した。地域の特色や自身が抱える病気から探究を進め、起業に成功した高校生2人の実例を紹介し「探究は自分がやりたいことを実現する道具。将来を思い描きながら探究を楽しんでほしい」と生徒に呼びかけた。

 生徒は6月にも地域の関係者から魅力や課題を聞き、課題解決に向けたアイデアを考えて発表する。課題解決に合うビジネスアイデアコンテストへの応募も考えており、学年を超えて学びを深めていきたいという。