和歌山県南紀のニュース/AGARA 紀伊民報

2024年11月22日(金)

「お中元に梅干しを」 都市部で2粒セット配る、和歌山県の若梅会

「お中元には梅干しを」と呼びかける企画で、「梅の日」に都市部で配布する梅干しセット
「お中元には梅干しを」と呼びかける企画で、「梅の日」に都市部で配布する梅干しセット
 「梅の日」の6月6日、和歌山県のみなべ町と田辺市の梅干協同組合の青年部的組織「若梅会」(濱田朝康会長、45社)は、記念日である梅の日や、「お中元」に梅を使ってもらう習慣を広めようと、東京都や京都府内でお中元に見立てた個包装の梅干し2粒セットを配布してPRする。

 「梅の日」は、室町時代、後奈良天皇が京都の賀茂神社で梅を奉納して祈願したところ、雨が降り、五穀豊穣(ほうじょう)をもたらしたという故事に由来。梅のある暮らしを広げようと、「紀州梅の会」が2006年に制定し、毎年記念行事をするなどしている。

 古来、梅は薬として重宝され、災いや疫病を除き、福を招く「梅」を贈り物にするようになったのが、お中元の起源になったといわれているといい、若梅会が今回の取り組みを企画した。企業などのお中元離れがいわれる中で、もう一度、大切な人にお中元として、気軽に梅を贈る習慣を広げたいと考えた。

 みなべ町や田辺市など産地の自治体や団体でつくる「紀州梅の会」がその取り組みに賛同し、梅の日の記念行事の一環として予算化した。

 配布するのは、南高梅の調味梅干し(3L以上)2粒。それぞれ和紙袋に入れて「御中元」の帯を巻いている。梅干しは計6千粒、3千セットで、若梅会メンバーの会社が用意した。同封カードには「1粒はご自身に、もう一粒は健康を願う大切な人に『お中元』としてお贈りください」と書いている。

 東京都の新橋駅前のSL広場、渋谷郵便局、京都市の京都中央郵便局の3カ所で、若梅会メンバーらが通行人に配布する。

■#梅の日 SNSで発信を

 若梅会は梅の日の認知度を上げようと6月6日、梅産業に関わる人々のSNSアカウントを活用し、「梅の日」や「お中元は梅干し」のハッシュタグを付けて、梅に関連する画像や動画を一斉に投稿してもらい、アピールする取り組みもする。

 同会の生田富哉さん(44)は「地元から自分たちで盛り上げることが大事。産地の持つ力を合わせて梅産業を盛り上げていきたい」、横山誉士副会長(45)は「梅の日は他県の梅産地でも意外と知られていないので、全国に広げたい」と話している。

■梅奉納など記念行事

 紀州梅の会は「梅の日」に例年通り、梅奉納など記念行事をする。

 田辺市本宮町の熊野本宮大社と、みなべ町西本庄の須賀神社で神事を営み、京都市の下鴨、上賀茂の両神社を参拝し、南高梅の青梅を奉納する。東京都の大田市場では和歌山の梅フェアを開催する。

 地元では「梅の日に梅干しを食べようキャンペーン」として、梅の日や前後に給食で梅を取り入れる。みなべ町の小中学校の給食では梅干しのおにぎりを握って食べ、田辺市の幼稚園や小中学校の給食でも梅を使った献立を予定している。上富田町でも6月の学校給食で梅を使ったメニューを多く提供する。