和歌山県南紀のニュース/AGARA 紀伊民報

2024年12月22日(日)

避難所の運営考える 串本で防災体験ゲーム

避難所運営ゲームで話し合う参加者(和歌山県串本町潮岬で)
避難所運営ゲームで話し合う参加者(和歌山県串本町潮岬で)
 和歌山県串本町潮岬の南紀熊野ジオパークセンターで7日、「防災体験会」があり、国士舘大学(東京都)防災・救急救助総合研究所の指導で、高校生や地域住民計25人がゲームを通して避難所運営を体験した。

 熊野古道の保全と活用に協力しながら、まだ世界遺産になっていない部分の追加登録を目指す「『熊野古道』を世界遺産に登録するプロジェクト準備会」主催。わかやまNPOセンター、県BBS連盟の共催。「紀伊山地の霊場と参詣道」の世界遺産登録15周年を記念して開いた。

 避難所運営ゲーム「HUG」の体験会では、防災・救急救助総合研究所の専任講師で救急救命士の月ケ瀬恭子さんが「自分が大切に思う2人のうち、どちらか一方しか助けられない時、あなたはどうしますか。今回は自分が判断することの重要さを気付いてほしい」と呼び掛け、ゲームの説明をした。

 ゲームではグループ内で役割分担し、マグニチュード8の大地震が起こり、ライフラインが全て使えないという想定で避難所運営をする。避難所である学校で与えられた資器材のみを使って、時間の経過とともに次々と訪れる被災者やハプニングに対処していかなければならない。

 参加者は、串本古座高校の生徒でつくるグループと住民のグループの三つに分かれ、避難所の図面を見ながら、妊婦やインフルエンザ患者などさまざまな事情を抱える被災者や、余震で窓が割れるなどのハプニングに対応していった。

 ゲームの後は、各グループで運営を振り返り、それぞれのグループがどんな対処をしたのか見て回った。

 那智勝浦町市野々の阪口圭一さん(65)は「避難所では、被災者でもこれから共同生活をしなければならないという意識を持つべきだと思った。今回で終わりにせず、各地域で定期的にやっていった方がいい」と語った。

 串本古座高校2年の藪萌々果さん(16)は「避難所運営について深く考える機会になった。もし災害が起こったら、できることをして協力していかなければならないと思った」と刺激を受けた様子だった。

 体験会では他に、文化財と災害についての講演やジオパークセンターの見学もあった。