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2024年11月23日(土)

【動画】例大祭の準備万端 和歌山の熊野本宮大社で13~15日

熊野本宮大社の例大祭に向けて「挑花」と呼ばれる造花を作る女性たち(和歌山県田辺市本宮町で)
熊野本宮大社の例大祭に向けて「挑花」と呼ばれる造花を作る女性たち(和歌山県田辺市本宮町で)
八咫烏舞を稽古する本宮中1年生(7日、和歌山県田辺市本宮町で)
八咫烏舞を稽古する本宮中1年生(7日、和歌山県田辺市本宮町で)
 和歌山県田辺市本宮町の世界遺産・熊野本宮大社の例大祭「本宮祭」(13~15日)の準備が進んでいる。住民手作りの縁起物「挑花(ちょうばな)」が完成したほか、7日にはこの春に中学生になったばかりの男女が祭りの当日披露する舞のリハーサルをした。今年は世界遺産登録20周年の節目で、関係者は意気込んでいる。

■華やか「挑花」600本

 「挑花」は、五穀豊穣(ほうじょう)や無病息災などを願う縁起物で、熊野本宮大社敬神婦人会の有志らが手作りした造花。約600本が完成した。

 挑花はキクを模したもので、大きさは直径15センチほど。主祭神であるスサノオノミコトが本宮に鎮座する際に「我を祀(まつ)るに母神をも同じく祀れ」と言ったことから、イザナミノミコトを三重県熊野市にある花の窟(いわや)から迎え、花を奉じるなどして祭りをするようになったことが由来とされる。

 敬神婦人会の有志8人が昨年12月から制作。赤、黄、白の3色の紙を型に合わせて切り、花びらになる部分を丸めて重ねるなどし、一つ一つ手作業で丁寧に仕上げた。

 今回から挑花作りに参加した敬神婦人会の笹野みよ子会長(74)は「なかなか難しかったが、教えてもらいながらやっとここまでたどり着いた感じ。今年は特に世界遺産登録20周年で多くの方が来られると思うので、丹精込めた。敬神婦人会として、挑花作りを若い人たちに継承していけたら」と話していた。

 挑花は15日午前9時から営まれる本殿祭で会場を彩り、午後1時からの渡御祭でみこしとともに旧社地・大斎原(おおゆのはら)へ渡った後、餅投げで赤色の餅を取った人に授与される。

■中学生が舞リハーサル

 「本宮祭」で舞を奉納する地元の新中学生が7日、リハーサルに臨んだ。舞を指導してきた氏子総代会の榎本隆文会長(72)は「例大祭に向け準備は万端。世界遺産登録20周年とあって今年は特に力を入れている」と期待を寄せた。

 例大祭最終日に大斎原で、男子4人は御幣やサカキを持って「大和舞」、女子5人は鈴や扇子を持って「八咫烏(やたがらす)舞」を披露する。

 リハーサルは女子1人が欠席し、8人が出席。本番で着る衣装を身にまとい、笛や太鼓の音に合わせて舞の動作を確認した。

 八咫烏舞に参加する本宮中学校1年の塚咲良さんは「一生懸命練習してきた踊りを本番では完璧に舞いたい」と話し、大和舞に参加する本宮中1年の乾頼煌さんは「先輩方が取り組んできた伝統を自分も受け継ぎたいと思って参加している。体調に気を付け、イメージトレーニングをして備えたい」と気を引き締めていた。

 例大祭は、13日にある県無形民俗文化財の「湯登(ゆのぼり)神事」で幕開けする。

■大鳥居ライトアップ 水森さん歌唱奉納も

 熊野本宮大社は13~15日午後6時~8時、大斎原にそびえる大鳥居を、「本宮祭」に合わせてライトアップする。

 12日午後2時からは本殿前で、「熊野古道」などのヒット曲で知られる演歌歌手、水森かおりさんの歌唱奉納も予定している。