和歌山県南紀のニュース/AGARA 紀伊民報

2024年12月04日(水)

【詳報・動画】民間ロケット打ち上げ失敗 発射直後に「中断措置」で爆発、和歌山・串本

打ち上げ直後に爆発した小型ロケット(13日、和歌山県那智勝浦町で)
打ち上げ直後に爆発した小型ロケット(13日、和歌山県那智勝浦町で)
和歌山県串本町のロケットを巡るスペースワンの主な動き
和歌山県串本町のロケットを巡るスペースワンの主な動き
 宇宙事業会社スペースワン(東京)は13日午前11時過ぎ、和歌山県串本町田原の発射場「スペースポート紀伊」から、小型ロケット「カイロス」初号機(全長約18メートル)を打ち上げたが、失敗した。地上から空中に上がった直後に機体は爆発した。スペースワンによると、飛行中断措置をしたという。見学場からは落胆の声が上がった。


 民間発射場からの打ち上げは日本で初めてだった。ロケットには政府の小型衛星も搭載していたが、失われた可能性がある。

 周辺での被害の有無などは不明。串本町消防本部によると正午現在、けが人の情報は入ってきていない。発射場で待機していた消防車が出動して対応した。

 那智勝浦町内のホテルの記者会見場にはライブ映像が映し出されていた。打ち上がってすぐに爆発し、煙が上がるような光景が映し出され、スペースワンの広報担当者も心配そうな表情で見ていた。映像では、発射場の近くで放水する様子も見られた。

 串本町の田嶋勝正町長は「楽しみにしていたが残念。まさかこんな結果になるとは思わなかった。技術的なことを考えたときに次の打ち上げがいつになるかは分からないが、町としてロケットと一体となってまちづくりをしていく」と話した。

 カイロスは、固体燃料3段式と軌道変更用液体エンジンからなるロケット。先端部に衛星を搭載して打ち上げ、今回は内閣衛星情報センターの小型衛星を搭載していた。

 当初9日に打ち上げを予定していたが、海上警戒区域に船舶が残留したことから中止、延期となっていた。

 同社はシンプルな構造や低コスト化で、契約から打ち上げまでの世界最短時間を目指すとし、2020年代中に年間20回の打ち上げを目標にしている。