和歌山県南紀のニュース/AGARA 紀伊民報

2024年11月23日(土)

子どもたちに「安全基地」を 南紀白浜のNPO、生活の場老朽化で建て替え資金募る

「エジソンハウス」と名付けている古民家と藤藪庸一さん(和歌山県白浜町で)
「エジソンハウス」と名付けている古民家と藤藪庸一さん(和歌山県白浜町で)
 自殺予防や生活自立支援に取り組む和歌山県のNPO「白浜レスキューネットワーク」(藤藪庸一理事長)は、保護した子どもらが生活する拠点の建て替えを考えている。活動に対する理解、協力の輪を広げたいとして、資金を募り始めた。

 NPOでは、自殺を考えた人や帰る場所がないという人、親の病気や生活の状況から離れて暮らす方がよいと判断した子どもを受け入れている。行政の支援の網にかからないこともあり、支援している。

 アパートや「エジソンハウス」と名付けた古民家で共同生活を送ってもらい、自立に向けた支援を展開している。共同で暮らす人は15人前後。掃除や調理は当番でこなし、学校に通ったり、NPOが運営する弁当店で働いたりして「生きる力」を付けていく。

 藤藪理事長(51)は白浜バプテストキリスト教会の牧師で、アパートや古民家は教会やNPOが所有している。

 藤藪理事長によると、アパートやエジソンハウスは昭和40年代の建築で、老朽化している。県の委託を受けて児童家庭支援センターの運営を今春から始め、相談が少しずつ増えていることもあって、よりよい環境がある「安全基地」の必要性を感じたという。

 NPOは10月、インターネット上で資金を募り始めた。現金だけでなく、換金できるような衣類や貴金属、腕時計なども募っている。

 寄付金は建物の新築や土地取得、スタッフの人件費などに充てる方針。具体的なスケジュールはないが、藤藪理事長は「できるだけ早く建てたい。(計画を)実現し、見てもらった上で信用を得られるようにしたい」と話している。募集期間は設けていない。目標は1億5千万円という。

 寄付は(https://syncable.biz/associate/shirahama-rescue)から。問い合わせは白浜レスキューネットワーク(0739・43・8981)へ。